金利上昇局面で、住宅ローンをどう考えていけばよいか?
日銀の金融政策会合で政策金利1%への利上げが決定したが、金利上昇局面において住宅ローン金利の上昇が、家計に現実的な影響を及ぼし始めている。6月のフラット35は、借入期間21年以上・融資率9割以下で最低金利が3.21%となり、2017年の現行制度開始以来、初めて3%を突破。一方、変動金利はなお1%前後にとどまっている。今後、日銀のさらなる利上げも予想されるなか、これから住宅ローンを組む人は固定と変動のどちらを選ぶのが正解なのか。『知識ゼロでも週3000円の投資で100万円が勝手に貯まる本』などの著書がある個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さんが解説するシリーズ「さあ、投資を始めよう!」。第193回は、「住宅ローン」について。
大手銀行の全期間固定型も3%台が主流に
住宅ローンの金利が話題になっています。住宅金融支援機構が発表した6月のフラット35の金利は、借入期間が21年以上で、購入価格に対する融資率が9割以下の場合、最低金利は3.21%。2017年に現行制度となって以降、初めて3%を超えました。日銀の利上げを受けて、大手銀行の全期間固定型も3%台が主流になり、10年固定も2.6~3.1%台に上昇しています。
一方で変動金利は0.9~1.1%台にとどまっています。変動と固定の金利差は、足元で2.13%にまで広がっています。「金利が上がる局面では固定が鉄則」とよく言われますが、3%の固定を前に1%の変動を見ると、やはり魅力的に映ります。これから借りる人は、どちらを選べばいいのでしょうか。
セオリーは「固定」だが、2%の金利差は重い
金利上昇局面では、返済額を確定できる固定型が安心とされてきました。これは今も基本的に正しい考え方です。ただし、現在の2%超という金利差はあまりに大きい。たとえば3000万円を35年で借りる場合、金利1%と3%では総返済額が1000万円以上変わることもあります。この差を考えると、安易に「上がるのが恐いから固定」とは言い切れないのが悩ましいところです。
返済の仕組みから考えると、当面は変動型に分があります。多くの人が選ぶ元利均等返済では、借入後10年間の利息負担が特に大きいため、この期間を低金利で通過できる変動型のメリットが大きいのです。市場では2026年中に政策金利が0.75%から1.0~1.25%程度まで引き上げられるシナリオが織り込まれていますが、それでも固定と変動の金利差が逆転する可能性は低いとみられています。
