中国人による“不動産爆買い”の新潮流とは(写真:イメージマート)
チャイナマネーが狙いを定めるのはリゾート地ばかりではない。目立つのが「都心」の不動産購入で、その“買われ方”には変化が起きている。
国交省の調査では掴みきれない実態
2025年末に国土交通省が公表したデータによると、2025年上半期の東京23区における外国人のマンション取得割合は3.5%に達し、前年の1.6%から大きく増加した。なかでも新宿区は14.6%とひときわ高く、千代田区は7.7%だった。国・地域別では台湾が最も多く、以下、中国、米国、香港となった。だが不動産ジャーナリストの榊淳司氏は「この調査は実態を反映していない」と指摘する。
「国交省の調査は不動産登記の情報を元にしているが、中国人は自分の名前で不動産を購入することを極力避ける傾向があります。日本で会社を作り法人名で買う、日本人の妻の名義で買うなどの抜け道も多く、チャイナマネーによる不動産購入は調査には反映され切っていないでしょう」
都心で外国人のマンション取得が増加
中国人向け不動産業者「恵比寿の30億円物件を手掛けています」
著書『潤日』で日本に押し寄せる中国人移民の実像を追ったジャーナリストの舛友雄大もこう語る。
「東京はサービスやエンタメなど生活の質が高いのに北米や欧州より物価がかなり安く、不動産価格も割安のため中国の富裕層に人気が高い。中国人が都内のビル、マンションを丸ごと買うという話も聞きました。
経営・管理ビザの厳格化など外国人規制を強化する高市政権下で日中関係が悪化したこともあり、中間層からアッパーミドルの中国人に警戒感が強まり、大陸からの不動産購入意欲がほぼゼロになっているのも事実です。ただしタワマンやビルを何棟も所有している超富裕層の意向は変わらず、とくに広い一軒家のニーズが高い。戸建ての超豪邸注文住宅を求める声は今後も絶えないでしょう」
実際、都内で中国人向けの不動産業を営むC氏は、建築図面を片手に「今は恵比寿の戸建てを手掛けています」と熱弁を振るった。
「土地と上物合わせて30億円になる物件で、500平米の土地に9メートルの吹き抜けがある住宅を建て、敷地内に日本庭園と滝を作る予定です。購入者は中国人の富裕層で、投資ではなく自分で住むようです。中国人の富裕層に土地だけ仲介する業者は他にもありますが、ウチは建築も顧客の意向通りに受注し、家具まで調えるワンストップサービス。中国人は、お金はいくらでも出すけどせっかちなので、職人に残業してもらって納期を短縮するつもりです」

