担当者からの「2つの提案」
この状況を受けて、担当者は、2つの投資の提案をしてきます。
1つ目が、さらに高額な犬のデジタルアートの購入です。担当者は「これは珍しいデジタルアートなので、ゆくゆくは価値が出るものです。半年ほどで5倍から10倍にはなるでしょう」と言います。城田さんはその言葉を信じて、約230万円のイーサリアムでデジタルアートを購入します。
2つ目は、数か月後に上場する予定の仮想通貨への投資勧誘でした。城田さんによると、「仮想通貨業界を取り巻く状況を説明された後に、『AI開発をするアメリカのIT会社が出資している仮想通貨がこれから上場します』『AIの時代なので、絶対に値が上がります』と力説された」と言います。こちらにも、約300万円分を投資します。
「実際に、その仮想通貨はBという海外の仮想通貨交換所で、上場していました。最初は購入時の10倍の値段に上がったのですが、その後、ガクンと落ちていきました」(城田さん)
値が上がった時になぜ売らなかったのかを尋ねると、「1年間の売買ができない“ロック期間”というのがあって、通貨の推移を見ているだけで、何もできませんでした」と言います。現在は10分の1程度の価値となり、しかもお金も引き出せない状況です。
担当者は「そのままにしておくのがいい」
さて、このBという仮想通貨交換所をあらためて調べると、日本の金融庁の登録業者には存在しない海外の業者ようで、国内での正式な交換所として確認できません。それどころか、Bという名前を悪用した 偽サイト・詐欺アプリが多数報告されているようです。この交換所自体が非常に怪しい可能性も出てきました。
城田さんは、昨年、A社の担当者にこの仮想通貨について尋ねると「そのままにしておくのがいい」と言われています。NFTに関しても、「(NFTは)イーサリアムが基準になって売買されているので、イーサリアムが上がってこないと、NFTも価値が上がってこない」などという説明を受けて、今も売れない状況です。
城田さんは「最初のデジタルアートは安く買わせて、儲けが出たように見せかけて、自分たちが売りに出した高いデジタルアートを買わせたのではないかという疑いを持っている」と話します。
「安易な考えでやってしまった」と後悔しますが、話を聞く限り、A社が、NFTなどの知識が十分でない城田さんをうまく誘導しながら、購入させたように感じます。