子会社が親会社を超えるケースは少なくない(写真:イメージマート)
キオクシアホールディングス(以下、キオクシア)の快進撃が注目を集めた。2024年12月の上場時から1年半で株価は一時、約70倍にまで跳ね上がり、時価総額はトヨタ自動車を抜いて国内1位に浮上した。その後の株価は乱高下も見せているが、上場時から大きく飛躍したことは間違いない。
そんなキオクシアはかつて東芝の半導体メモリ部門だった。経営危機に直面した東芝が2017年に同部門を分社化して「東芝メモリ」が発足。2018年に米投資ファンドなどに買収されたことで東芝の傘下から抜け、その後の再出資などを経て現在の社名に変わった。東芝は2023年に上場廃止となった一方、キオクシアは上場からわずかな期間で急騰。キオクシアと東芝のような逆転現象はなぜ起こり得るのか。ほかにも同様のケースはあり得るのか。割安成長株への超分散投資で資産10億円を達成したDAIBOUCHOU氏に話を聞いた。
潰れる会社もある
半導体業界では、AIの普及でデータ処理量が増え、データセンターの新増設が進んだことで好況が続く。キオクシアの主力製品である「NAND型フラッシュメモリ」はAIが回答を導く際に使う大量のデータの保存に適しているとされ、データセンターでの需要が急増した。そのほか、データセンターでは短期の記憶を担うメモリ半導体のDRAM、計算処理を担うGPU(画像処理半導体)やCPU(中央演算処理装置)などが使われている。
サムスン電子やSKハイニックスなどの韓国勢がDRAM、米国のエヌビディアはGPUに強みを持ち、これらの企業もキオクシアと同様、急成長を遂げている。DAIBOUCHOU氏が解説する。
「半導体業界はシクリカル性(景気の動向によって株価や業績が大きく変動する性質)があるため、時勢によって莫大な利益が出ることもあれば、赤字になることもある。キオクシアは大躍進を遂げていますが、2012年に経営破綻したエルピーダメモリのように会社が潰れるケースもあります。近年は空前のAIブームによって好況のサイクルに入っており、業績や株価が爆発的に上がる半導体企業が出てきているわけです。
AIブームの追い風を受けて、いまやキオクシアはかつての母体である東芝をはるかに超える企業となりましたが、似たようなケースとして、韓国のSKハイニックスが挙げられます。同社は2012年に韓国財閥のSKグループの傘下に入り、グループ全体の持ち株会社であるSK inc.の孫会社にあたる。近年はHBM(複数のDRAMチップを垂直に積み重ねた3D積層構造を持つ次世代の半導体メモリ)で大成功をおさめ、現在の時価総額は200兆円(約2000兆ウォン)ほどに達しています。SK inc.の時価総額が5兆円くらいですから、親会社をはるかに上回っており、キオクシアの時価総額よりも3倍くらい大きい」(以下、「」内はDAIBOUCHOU氏のコメント)
