「キオクシア・ショック」の先はどうなるのか(Getty Images)
今年前半、AI・半導体ブームの主役として日本株の上昇局面を牽引してきた半導体メモリ大手・キオクシアホールディングス(HD)が7月17日、ストップ安まで売り込まれ、株価は6月につけた上場来高値(11万2700円)から1か月弱で半値以下になった。米国市場での半導体株安を嫌気した売りで警戒感が強まるなか、子会社のキオクシアとKioxia Americaが米国で特許侵害の陪審評決を受けたことも追い打ちをかけ、株式市場には動揺が広がっている。
はたして、今後、キオクシアをはじめとしたAI・半導体関連株はどう動くのか。AIバブルの崩壊が始まったのか──。かねてより「一部の値がさ株の著しい上昇は“根拠なき熱狂”と言え、AI・半導体関連はいずれ大幅な調整となる」と警鐘を鳴らし続けてきた、株式投資で資産10億円超を築いた兼業投資家の株億太郎さんに、話を聞いた。
株価急落を引き起こした「信用買い」の多さ
株億さんはバブル崩壊を経て、リーマン・ショックをはじめ数々の暴落局面に見舞われてきた市場の歴史と向き合ってきた。そんな投資の達人に、“キオクシア・ショック”に襲われた株式市場で何が起こったのかをはじめ、特許侵害の陪審評決の影響、今後の株式市場の見通しなどについて解説してもらった。
今年、空前絶後のAIブームが席捲するなか、「いまからAI・半導体関連株に飛びつくのはリスクが高い」と一貫して言い続けた株億さん。まさにいま予想が的中した格好になるが、今回の“キオクシア・ショック”をどう見ているのか。
「キオクシアHDの業績見通しが好調なのは、来年、再来年の分までもわかっていますが、それを踏まえても、“株価が割高すぎ”ということだと思います。PBR(株価純資産倍率)は最高値時で50倍超、いま下がったといっても約20倍あります。ストップ安まで暴落した7月17日はここまで売られるとは思っていませんでしたが、約8割が信用取引で買っていたというデータもあり、株価下落に伴う追証(追加保証金)がかなり発生したと思われます。実際に私が証券会社に確認したところ、相当の追証が出ているとのことでした。
ただ、強制決済まではいかないケースが多く、『なんとか売却で乗り切っている』という話でしたから、意外と(株価が)底を打つのは早いかもしれませんね。とはいえ、まだ多くの投資家が含み損を抱えていたり、資金を調達して乗り越えていたりする段階なので、ここからもう一段階、4万円前後まで下落する可能性もあると思います」(以下、「」内コメントは株億さん)
株億さんが続ける。
「現物や信用で買った株を担保にさらに信用で株を買うという“二階建て”をしていた投資家も多かったようで、キオクシアHD株の追証資金を捻出するため、古河電気工業、フジクラなどが売られたほか、株価5ケタ(1株1万円を超える銘柄)のAI・半導体関連銘柄が相当売られたと推測されます」
