「現地で着替えたらいい」は危ない
中には、お葬式の服はガーメントケースなどの鞄に入れて持参し、涼しい普段着で式場に向かい、着いたら着替えようと考える人もいるかもしれません。これは葬儀会館を利用する遺族の場合なら可能です。
遺族には親族控室が用意されています。軽装で移動して、一般参列者より早く葬儀会館に到着した後、開式までに遺族控室で喪服に着替えてしまうという方法があります。これなら快適に移動ができ、お葬式の服が汗でよれよれになりません。リスクとしては、黒ネクタイを持参するのを忘れる人がいるくらいです。お葬式が終わったら、また軽装に着替えて帰ればいいのです。
一方で一般の参列者は遺族控室を利用できないため、参列者向けの更衣室で着替えようと考える人もいます。しかしこれは危険です。
最近は葬儀の小規模化に伴い、郊外のコンビニを葬儀会館に改装するなど、コンパクトな式場が増えています。こういうところはそもそも更衣室のスペースがありません。「それならトイレで着替えよう」という人もいるかもしれません。しかし葬儀会館の構造上、エントランスを入ったところに、記帳のための受付が設置されており、受付係が出迎えます。
参列者で混雑しているところに軽装で現れて「あのー、トイレはどこでしょう?」というのは、第一印象として最悪です。
涼しげな顔で受付に臨む方法
というわけで、最初から喪服を着用した状態で、暑さを乗り切って参列する方法を考えないといけません。
日本の高温多湿の気候の場合、25℃を超えたら、どうやったところでジャケットを着ると暑いのです。言うまでもありませんが、移動中はジャケットを脱いで小脇に抱えておきましょう。
電車移動の場合、式場までの徒歩の間はノータイで行きたいところです。しかし先ほど述べたように式場のトイレの鏡の前で締めようとすると、ノータイで受付前に登場しないといけなくなります。
そこで苦肉の策として、式場の最寄り駅のトイレを利用する方法があります。まずは駅の鏡の前で、きっちりとネクタイを締めて結び目や長さをチェックした後、いったん首元を大きく緩め、シャツの第1ボタンを外しておくのです。
その後、ジャケットを小脇に抱えて徒歩で移動し、葬儀会館まであと1分くらいで到着というところで、クールタイプのウェットティッシュで顔と首まわりの汗を拭きます。そして外していたボタンを留め、ネクタイを締め上げ、ジャケットを羽織ります。それから涼しげな顔で葬儀会館のエントランスに入る、というやり方です。
ただしこの方法では直前に締め直すのを忘れて、襟元が緩い状態で参列してしまいがちです。締め直すのを忘れないようにしてください。当然女性も汗をかいた場合は、受付に進む前に、ハンカチなどで押さえておきましょう。