男性の喪服は黒ネクタイがマストだ(イメージ)
1着だけ買うなら「総裏」がおすすめ
服の素材や作りで、暑さ対策はできないでしょうか。
素材に関しては、スーツ量販店などで売られているような「喪服」は季節にかかわらずウール素材がほとんどです。最近はウールに似せた化学繊維のスーツも出回るようになりましたが、ウールと比べると、自然な光沢や風合いに乏しいので、数段安っぽく見えてしまいます。礼節を重んじるお葬式では、安っぽいと思われる化学繊維は避けた方が無難です。
ジャケットの作りは、内側全体に裏地が付いた「総裏」と、背中の裏地の一部を省いた「背抜き」に大きく分けられます。背抜きは総裏より通気性がよく、夏向けの商品に多く見られます。予算があれば、季節に合わせてそれぞれ1着ずつ用意すればよいでしょう。
これから買い求める方で、1着分の予算しかない場合は総裏をおすすめします。
葬儀会館内はクーラーがちゃんと効いているので、総裏でも暑くありません。移動中は先ほど申し上げたように、ジャケットを脱いで移動すれば、総裏か背抜きかは関係ありません。
そして総裏の方が、丈夫で長持ちします。お葬式の服は流行がなく、長く使うので、これは大事です。また背抜きは、背中側から白いシャツが透けて見えるものがあり、少し安っぽく見えることもあります。
お寺の本堂で行われるときはどうするか
最近は少なくなりましたが、お寺の本堂でお葬式をすることもあります。
お寺の本堂は密閉性が低く広いため、冷房が効きづらいです。我々葬儀社側の対策としては、業務用の扇風機か冷風機を持ち込むか、それ以前の打ち合わせの段階で「真夏のお寺でのお葬式は避けた方がいい」と忠告するぐらいしかできることはありません。お寺の本堂の場合は、もう暑さを我慢してもらうしかありません。強いて良い点を挙げるとすると、この苦行によって、そのお葬式が強く記憶に刻まれることぐらいでしょうか……。
▼▼▼前編▼▼▼
【はじめから読む→】女性は「ワンピースを着ていけばOK」という俗説に潜む誤解、なぜ「ジャケット」がマストなのか解説
【プロフィール】
赤城啓昭(あかぎ・ひろあき):1級葬祭ディレクター。葬儀業界歴約30年。運営する「考える葬儀屋さんのブログ」は月間45万PVを達成し、ライブドアブログ OF THE YEARを受賞。近著に「子供に迷惑をかけないお葬式の教科書」。テレビ、新聞、雑誌、YouTubeなどでも葬儀現場の正しい情報をわかりやすく発信中。
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