「どこにどんな財産があるか」を確認するところからスタート(イメージ)
いつか必ずやってくる、親しい人との別れ。その悲しみに浸る時間を奪うほど、相続手続きの煩雑さは容赦がなく、限られた期限内でこなさなければならないことばかりだ。失敗を防ぐために重要なのは、トラブルを想定して、事前に準備しておくこと。“あるあるトラブル”の予防法と解決策を参考に「絶対に失敗しない相続」を目指し、家族でぜひ話し合ってほしい。【全3回の第1回】
故人の銀行口座がわからない
財産の整理をしないままに亡くなる人は少なくない。すると残された家族は、手続きのために「どこにどんな財産があるか」を確認するところから始めなければならない。しかも、相続税の申告は相続開始(被相続人が亡くなった日)を知った日から10か月以内に行う必要がある。行政書士で相続・終活コンサルタントの明石久美さんが言う。
「どこの銀行に口座があるかだけでもわかれば探すことができます。心当たりのある銀行の窓口で亡くなった人の戸籍謄本等と、相続人と確認できる戸籍謄本を提出して、調べてもらいましょう。
メガバンクは同時にその銀行の休眠口座も含めて調べてくれます。一方、JAバンクなどは、調べきれないケースもあるので要注意」
締め切り順「相続手続き」スケジュール
どうしても相続財産がわからず、正確な遺産分割ができそうにない場合にもとれる手段はある。ベリーベスト法律事務所の弁護士・田渕朋子さんが言う。
「どうしてもわからない場合は、とりあえずいまわかっている範囲の金額と法定相続分で相続税申告をしておくのも手です。その後3年以内に分割できる見込みを税務署に伝えましょう。それもまとまらなかったら、家庭裁判所に調停を申し立てる必要があります」
こうしたトラブルを防ぐために重要なのは、生前に財産目録と遺言書をつくっておくことに尽きる。だが、後から想定外の財産が出てきたり、趣味の道具に想定外の高値がつくこともある。財産の整理とともに趣味で集めたものや貴金属なども把握しておくこと。それでも「存在を忘れていた銀行口座の通帳」や「意外と高値になったコレクション品」が出てきた場合には、「新たな財産のみ」を対象に、再度手続きと遺産分割協議を行って。

