金利上昇局面で「個人向け国債」の注目度もアップしている(イメージ)
AI・半導体銘柄を中心に急上昇してきた株式市場。値上がりだけを見れば魅力的である一方、株価が半減することもあるリスクを前に躊躇う人も多いだろう。そうした人たちが今、目を向け始めたのが、外貨預金や個人向け国債といった“安全資産”だ。守りの資産運用が注目を集めるのはなぜか。「株式投資は怖い」という人にとっての戦略を探った。【前後編の後編】
元本割れのリスクがない安定資産
「個別株は乱高下が怖くて手が出せない。それでもインフレ下で資産の目減りを防ぎたい」というニーズを受けて「外貨預金」が人気を集めている。だが、FPの深野康彦氏は「はっきり言って外貨預金は資産運用に向いていない」と断言する。
「外貨預金の為替差益は雑所得として累進課税の対象となる。海外旅行に頻繁に行き、外貨を外貨のまま使う目的ならありですが、最終的に円に戻す目的だと高い手数料が掛かり、どの世代にもおすすめできません」
為替変動による元本割れのリスクもある。
そこで円預金に代わるもう一つの選択肢として注目されるのが個人向け国債だ。2003年に販売が開始され、現在は「変動10年」「固定5年」「固定3年」の3商品がある。銀行、証券会社などの金融機関を通じて1口1万円から購入できる。節約アドバイザーでFPの丸山晴美氏が語る。
「10年後、5年後といった償還時に購入した時の額面が保証される。原則1年が経過するまで換金できませんが、元本割れのリスクがない安定資産になる。年金生活者で一定の金融資産があるなら、その10%は普通預金で持ち、60~80%は個人向け国債の変動と固定でポートフォリオを組むのが有力です」
9月発行分の個人向け国債の金利は「固定5年」で2.06%と過去最高となった。メガバンクの5年定期預金の金利は1%ほどのため、受け取る利益は倍以上になる。
また、「変動10年」は半年ごとに適用金利が見直されるため、現下のような金利上昇局面では魅力が増している。
