AI・半導体関連の日本株「3年後の成長予想」をどう見るか(写真:イメージマート)
AIの普及に伴って爆発的な成長が期待される「半導体」業界。その期待の高さはすでに一部の銘柄の株価にも反映され、時価総額で一時は国内トップに立った半導体メモリ大手・キオクシアホールディングス(HD)をはじめAI・半導体関連銘柄の勢いは日経平均株価を7万円台に押し上げる原動力となった。その後、株価は急落したが、まだまだ成長が見込まれるAI業界への注目度は高い。そうしたなか、日本企業で“大化け期待”の銘柄はあるのか。
AI・半導体銘柄の先を見通すために、金融情報サービス会社・アイフィスジャパンの協力を得て、日本の主なAI・半導体関連銘柄の将来性を判断するうえでカギとなる「当期利益」の3年後までの伸び率を予測した「3年平均利益成長率ランキング」を作成した。
アイフィスジャパンは主要証券会社16社のアナリストによる業績予想をもとに算出した「IFISコンセンサス」を機関投資家などに提供するほか、個人投資家向けに「IFIS株予報」をYahoo!ファイナンスなどで掲出する。今回は、主要アナリストによる3期先(2029年3月期など)の当期利益予想の平均値である「3期先コンセンサス予想」と前期(2026年3月期など)実績を比較し、3年平均成長率の高い順にランキング化。日本企業のAI・半導体関連と目される銘柄のなかから各種データを抽出できる42銘柄を一覧にした。
国内外の金融市場に精通するグローバルリンクアドバイザーズ代表の戸松信博氏は、3年先まで見通す重要性について、こう説明する。
「まずAI・半導体株を今期の業績だけで判断するのは危険です。AI投資は一度動き出すと2~3年単位で続く設備投資サイクルであり、実際に米国の巨大IT各社のデータセンター投資計画も複数年にわたっています。株価は目先の1年ではなく、その先の利益水準まで見て動きますから、『3期先の利益』を見ることは、市場が何を織り込もうとしているかを知るうえで有効です」
3期先コンセンサスで利益8兆円予想の企業も
ただし、このランキングを読み解くうえでは注意点があると言う。
「何より『起点の低さ』に注意してほしい。成長率は『3期先÷前期』で計算されますので、前期(2026年3月期など)の利益が一時的に落ち込んでいた企業ほど成長率が高く出ます。キオクシアHDの3年平均成長率が144.4%と出ているのは典型で、発展途上とも言える前期の当期利益5544.9億円に対し、3期先コンセンサスは8兆円超と14.6倍になっています。最上位に入ってきた太陽誘電(4.6倍)、セイコーエプソン(4.1倍)も前期が底だった企業です。逆に最下位のソフトバンクグループは、前期に投資評価益で5兆円超という過去最高益を計上した反動でマイナスに出ているだけで、“成長しない会社”という意味ではありません」(以下、「」内コメントは戸松氏)
そのうえで、ランキング全体を通した印象について分析する。
「上位にはキオクシアHDなど『メモリ関連』と太陽誘電など『AIサーバー向け部品・材料』が並び、中位に東京エレクトロンなど『前工程の装置株』、下位にキヤノンなど『事業の裾野が広い大手』がランクインするような構図となっています。つまり、AIの投資マネーは『メモリ』と『AIサーバーの中身』にもっとも強く流れ込み、成長が期待できるとアナリストは予想しているわけです」
