コンサル業界の採用市場に変化(イメージ)
高収入で、若いうちから企業の経営課題に携われるとして、就活生や転職希望者から人気を集めるコンサルティング業界。高学歴社員が多いイメージも強く、実際、新卒採用でも難関大出身者が目立つ。その一方で、近年はDX化をはじめとする業務の多角化に伴い、採用される人材の裾野も広がっているという。
現役社員からは、「かつてなら選考で振るい落とされていた層も入社するようになった」という声も聞かれる。採用の間口が広がったことで、現場では何が起きているのか。その実態に迫った。【コンサル現役社員の本音・前後編の前編】
各社が採用を増やす背景に“案件の変化”
慶應義塾大学卒で、総合コンサルティングファームに勤務する男性・Aさん(30代後半/シニアマネージャー)は、新卒で入社して以来、約15年間コンサル業界で働いている。
「私が入社した頃は、周囲は“ほぼ早慶以上”という感覚でした。でも今は、MARCH(明治・青山学院・立教・中央・縫製)や地方国公立の出身者も珍しくありません。中途採用なら、日東駒専(日大・東洋・駒澤・専修)クラスの大学出身者が入ってくるケースもあります」(Aさん)
Aさんは、その背景にコンサル会社が手掛ける“案件の変化”があるのではないか、と分析する。
「以前のように少数精鋭で短期間の支援を行う案件だけではなく、システム導入のプロジェクトマネジメントやクライアント企業の業務に入り込む実行支援など、大人数を長期間アサインする案件が増えました。そうなると、必然的に頭数が必要になる。各社が採用を増やすのも無理はないです」(同前)
もちろん、Aさんも「学歴だけで能力が決まるわけではない」と強調する。特に中途採用であれば、特定業界の知識や専門性が武器になる場合は多い。
「ただ一部には、特別な専門性があるわけでもなく、入社後に要求されるスピードや論理的思考についていけない人もいるのが現実です。そうなると、担当マネージャーだけでなく、一緒に働くメンバーも扱いに困る。
さらに難しいのは、本人が自分のビハインドに気づいていないケースです。自己評価と周囲の評価が乖離していて、評価面談で『なぜ自分はこの評価なんですか』と揉めることもあります」(同前)
