「できない人の仕事を、できる人が吸収する」
有名国立大学を卒業し、別の総合コンサルティングファームで働く男性・Bさん(20代後半/コンサルタント)も、「採用人数が増えたことで、同じ職位でも能力差を感じる場面がある」と打ち明ける。
「言いづらいですが、同じ年代、同じ職位でも、仕事の処理速度や論理的思考力にはかなり差があります。ある人に難しいタスクを振れないからといって、その仕事自体がなくなるわけではありません。結局、ほかのメンバーが吸収するんです」(Bさん)
コンサルの仕事では、一人のアウトプットがチーム全体の成果にも影響する。
「本人だけでなく、チームや会社全体としてクライアントから評価されます。だから、仕事ができない人を完全に放置することもできない。でも決定的なミスを繰り返しているわけでもなければ、同じメンバーの立場からは『この人を外してください』ともなかなか言えない。結局、できる人が資料を直したり、タスクを巻き取ったりして、しわ寄せを受けることになります」(同前)
厄介なのは、そうした“見えないフォロー”が本人には伝わりにくいことだという。
「本人は普通に仕事をしているつもりだったりするので、周りもだんだん指摘しづらくなる。結果的に“腫れ物”みたいな存在になるケースもあります」(同前)
採用対象が広がることは、多様な経験や専門性を持つ人材が業界に入る機会にもなる。一方、採用人数だけを増やしても、現場の育成や配置が追いつかなければ、負担はほかの社員へ回る現実もある。
業界全体が岐路に立っているコンサル業界だが、現場の悩みはそれだけに留まらない。後編記事では、社員の評価をめぐるジェンダー問題について、現場の声を詳しく紹介している。
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