スピード決着した改正法が「赤字拡大」に拍車をかける
日本郵便は、法律によって全国一律の「ユニバーサルサービス」を課されている。
(1)あまねく全国において利用されることを旨として各市区町村に最低1カ所以上の郵便局を設置
(2)全国均一でなるべく安い料金とする
(3)原則として平日1日1回以上の配達
(4)差し出された日から4日以内の配達
(5)原則として戸別配送(宛先に配達)
といった内容だが、これも経営の重荷となっている。
このため、総務省の審議会ではこれらのユニバーサルサービスの水準引き下げや地域拠点としての活用法などが議題となる見通しだ。
だが、対処療法としてサービスを縮小させたのでは、経営改善どころか「郵便離れ」がさらに進む恐れがある。地域拠点の活用だとして多機能化を図ったとしても、収益に結びつくかどうかは分からない。いまや赤字の根本要因に斬り込み、将来展望を示す局面なのだが、そうは行きそうにない。
審議会は、先の特別国会で郵政民営化関連法が改正されたことを踏まえて設置された経緯があるためだ。そして、その改正法というのがかなりの曲者なのである。
議員立法により与野党の賛成多数でわずか10日ほどのスピード成立となった法律なのだが、郵便事業の赤字問題を解消するどころか、かえって拡大させかねない内容が含まれている。法改正の真の目的は、過疎地域の“延命”にあるためだ。郵便事業の経営建て直しは二の次なのである。