収益悪化に苦しむ郵便事業の未来はどうなるのか
郵便局は、人口が激減する地方の“最後の砦”なのか──。先の国会で成立した改正郵政民営化関連法により、全国の郵便局ネットワークを維持するための新たな交付金が創設された。過疎集落にあっても、郵便局が“最後の砦”として存在し続けることを促すような政策は、果たして正しいのか? 人口減少問題に詳しい作家・ジャーナリストの河合雅司氏が検証する。【前後編の前編】
目次
郵便物の数はピーク時より55.3%減、4年連続の赤字
総務省の審議会が、郵便局の持続可能性についての検討に着手した。
電子メールの普及や人口減少に伴う郵便需要の縮小で、日本郵便の収益の悪化に歯止めがかからないためだ。
国内で配達される郵便物数は、2001年度の262億2000万通をピークに減り続け、2025年度は55.3%も少ない117億3000万通となった。
ベースアップによる人件費の増加や輸送コストの上昇などが追い打ちをかけて、2025年度の郵便事業の営業損失は322億円の赤字に終わった。赤字となったのは4年連続である。
日本郵便は、集配拠点の集約や不動産開発、AI技術の活用による生産性向上などの対策に乗り出している。これらにより、2028年度までに差し引き7000人ほどの要員の削減を図る考えだ。
さらに、郵便料金の再値上げも視野に入れているが、状況の大幅改善への道筋は見えていない。
郵便物数は半減、郵便料金値上げするも4年連続赤字(出所:総務省報道資料「郵便事業の安定的・持続的な運営を確保するための方策及び郵便局が地域を支援する役割を果たすためのサービス提供の在り方」2026年8月郵政行政部)

