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キャリア
大学年内入試「面接必須化」の波紋

「オンラインで集団面接はなぜ不可能?」「地方会場に教授派遣?」…“年内学力入試の面接必須化”で大学現場は大混乱 合格者が数千人規模の大学はどうする

年内学力入試の面接必須化の影響は

年内学力入試の面接必須化の影響は

 文部科学省が2027年度から大学入試の推薦・総合型選抜で面接を原則必須とする方針を打ち出し、大学関係者や塾、予備校、受験生の間に大きな波紋が広がっている。受験者が数万人に上る入試で、どのように面接を実施するのか。受験生への影響は──。著書『大学受験 活動実績はゼロでいい 推薦入試の合格法』が話題のノンフィクションライター・杉浦由美子氏がレポートする。【大学年内入試「面接必須化」の波紋・前後編の前編】

面接必須化による大学への影響は大きい

 大学受験業界で今年もっとも注目されている話題は、「年内入試は面接必須化」という文科省の方針が通達されたことだ。年内入試とは、一般選抜の前に行われる推薦・総合型選抜を指す。年内に合否が決まるので「年内入試」と呼ばれる。

 この推薦・総合型選抜の一つとして、ペーパーの英語や国語、数学などの学科試験の得点重視の「年内学力入試」が行われてきた。面接はなく、何万人もの受験生が受験する。推薦・総合型選抜といっても実質的には学力重視の入試が多いのだ。

 しかし、今後はこういった面接なしの推薦・総合型選抜が行えなくなる。

 関西では30年前から「ペーパーの学科試験の得点を重視する」年内学力入試が行われてきた。関西で公募制推薦というと、この「年内学力入試」を指す。英語や国語、算数などの学科のペーパー入試の得点で合否を決めるものだ。年内に行うので基礎的な問題が中心で、2教科入試が多い。そのため、年明けの一般選抜の前哨戦として受験しやすい。

 この年内学力入試が2025年度入試から関東の大学でも導入、東洋大学が2万人の志願者を集めて注目され、2026年度入試では総合型選抜として多くの大学が「年内学力入試」を始めた。

 ところが文科省が今年に入って面接必須化の方針を打ち出した。

 年内学力入試は基本、併願可だ。合格しても入学を辞退してもいい。そのため、辞退者を想定して、合格者数を多めに出す。そのため、合格内定者に形だけの面接試験をするとしても場合によっては何千人規模になる。2025年度の東洋大学の年内学力入試「学校推薦入試 基礎学力テスト型」は志願者数1万9610人に対して合格者数は4194人。この人数に対して面接をするのは非常に難しい。企業の採用で増えているというAI面接も、大学入試ではNGとのことだ。

 そうなると、「オンラインで集団面接すればいい」という声もあるが、オンラインの集団面接では、ネット接続の影響で参加できない受験生が出てくる懸念もある。たとえば10人のオンライン集団面接で一人が接続できないとなると、他の受験生が待たされることになる。

 そういったことが起こりうるから、リアルで集団面接をするか、一人ひとりオンラインで面接するかしかない。それが可能なのか。

 この年内学力入試のペーパー試験は地方会場を用意して行っている。そうなると面接も全国各地で行う必要があろう。大阪や名古屋などの地方面接会場なども用意して、全国で集団面接を行うとすれば、面接官を担う教授たちの移動の負担も増える。

 ある大学関係者はいう。

「大学の経営陣が『年内学力入試を続けたいから面接をやる』といっても、教授たちが反発する可能性もあります。面接は教授たちが担当するからです。秋は指定校推薦の面接に対応する負担もある中で、他の入試の面接もやるとなると教授たちは過労で倒れてしまいかねません。規模が小さな年内学力入試なら可能でしょうが、合格者が何百人規模になると不可能では……」

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