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月額利用料が払えず追い出される「老人ホーム破産」の悲劇

〈老後資金が減らないから安心「年金だけで入れる」優良老人ホーム〉なる特集が週刊誌などで組まれるが、年金に頼れなければそうした謳い文句も無意味になってしまう。

 しかも、老人ホーム入居に際してのコストは入居一時金や月額だけではない。淑徳大学教授(社会福祉学)の結城康博氏が指摘する。

「ホームページや広告、紹介記事で『月額』と書かれている金額に含まれない費用がいくつもあるのです。たとえば洗濯代が1カゴ500円、ナースコール1回50円など、生活上必要な細かな費用が別途積み重なる施設もあります」

 例えば「月額26万円」と紹介される老人ホームのHPを見てみると、確かに月額は26万円だが、その他にかかる費用として、衛生用品や通信費、健康診断などの費用がかかる。さらにリネン交換は週2回まで月額に含まれるが、3回目から1回500円、病院への付き添いが30分ごとに500円かかるという。

 施設の担当者は「これらの費用について入居される前に説明しています」という。簡単な紹介ではわからない出費がかかってくるのが現実なのだ。そうした“チリツモ”の追加費用で支払い計画に変更を余儀なくされれば、「老人ホーム破産」が迫る。

「有料老人ホームの場合、利用料金を滞納したら退去を命じられる可能性があります」(結城教授)

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