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高齢者再雇用 月収36万円と24万円で所得差1万円の不合理

「収入」に大きな差が出た山下さんと三田さんだが、「収支」で見ると興味深い。

 三田さんが本来受け取れる厚生年金は山下さんと同じ12万円で、総額報酬月額相当額と年金月額の合計は36万円。超過分(8万円)から計算すると4万円の減額になるはずだが、三田さんの場合、別の制度が適用される。

 再雇用時の給与が60歳時点の75%未満になると、雇用保険から「高年齢雇用継続基本給付金」を65歳まで受け取れる。これは最大で給与の15%を給付してくれる制度で、三田さんの受取額は3万6000円だ。

 一方で、在職老齢年金の対象者は、この給付金をもらうと厚生年金から給与の6%がカットされるため三田さんは1万4400円年金が減額され、年金は5万4400円減額となる。

 2人の総所得(手取り)を比べると、山下さんは29万7671円に対し、三田さんは28万8266円。月収が12万円も違うのに年金を含めた受取額は1万円も違わなかったのである。

 もちろん2人は年金などの社会保険も支払う。山下さんは現役並みに仕事もすれば年金も支払い、そして受け取る年金が削られるという状況に陥っているのだ。北村氏が言う。

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