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ふるさと納税・高額返礼品規制 還元額を見直しする自治体急増

2000円でできる最強のお取り寄せ

 ふるさと納税とは、自分の住んでいる自治体に納める住民税のうち、約2割を上限に、ほかの自治体に寄付できるという仕組み。寄付額のうち手数料の2000円を除いた金額が所得税の還付と翌年度の住民税控除という形で戻ってくる。

 たとえば自分が選んだ自治体に10万円の寄付をした場合、9万8000円分は戻ってくるので、実質2000円の負担で返礼品が手に入るのだ。金森さんがふるさと納税を“2000円でできる最強のお取り寄せ”と呼ぶのはこのためだ。

 前述の総務省からのお達しには、自治体間で過熱する返礼品競争を鎮静化させようという狙いがある。その理由は、還元率4割以上の豪華な返礼品を用意する自治体に寄付が偏っていること、また自治体間の競争が地方財政を圧迫しているという現状があるからだ。

 2015年に最も寄付額を集めたのは宮崎県都城市だったが、その原動力となったのは還元率が5~6割にも上る肉や焼酎だった。また、鳥取県三朝町も、5割の還元率で三朝温泉の旅館利用権を返礼品として用意し、人気を集めていた。現在都城市は返礼品の質を保ったまま量を減らし、三朝町は10月1日から旅館の利用券の返礼品を取りやめた。前出の金森さんが指摘する。

「総務省は、返礼品競争が過熱すると自治体が財源不足に陥ることを心配しているのでしょうが、返礼品の提供は一種の財政出動。地域振興、そして景気刺激策として大きな効果があるので、本来なら規制すべきではないと思います」

 ただ、前述の通り、返礼品の還元額の見直しを行っている自治体は急増している。今後、なくなってしまう可能性の高いお得な返礼品を狙うなら、今がラストチャンスとなるだろう。

※女性セブン2017年11月2日号

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