閉じる ×
中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

無職・貧乏になった時にわかる「人の縁」の大切さ

急に貧乏になった時、人間関係にどんな変化が訪れるのか?

 突然会社を辞めたくなってしまい、そのまま辞めた場合、何が起こるのか。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏は、かつて新卒で入社し4年間勤めた会社の最終年の年収は860万円だったが、辞めて1年、無職を経てフリーライターになった。年収は60万円に激減。その時「意外と世間の優しさを知った」と語る。そしてつくづく「人の縁」の大切さを感じたという。中川氏が自身の体験をもとに、無職・貧乏になった時の人間関係の変化について説く。

 * * *
 私は27歳で無職になったわけですが、職安(ハローワーク)に定期的に行くのが面倒くさくて、結局失業保険はトータルで3万5000円しかもらえませんでした。本当は90日間で60万円ぐらいはもらえたというのに、「面倒くさい」というだけでもらわなかったのです。

 ところが無職になると「お前暇そうだな」というだけの理由で飲み会のお誘いが案外多くなります。そして「お前は無職だからお金はいらないよ」と言ってもらえ、あの年は散々年上の人々から奢ってもらいました。同年齢や年下から奢ってもらうようなことも1回だけあり、その時は実に恥ずかしい気持ちになりましたが、とかく先輩方が「お前、栄養摂ってるか?」と言い、飲み会に誘ってくれたのです。

 さらには、「田舎のカーチャンか!」と言いたくなるのですが、「栄養摂れよ」と言っては「アーモンド小魚」を、「おかずが足りないだろ」と言ってはふりかけとか佃煮なんかをくれるんですよね。飲み会に行って食べ物が残ったら先輩は「ちょっとこれ包んでもらえますか」と言い、その折詰を私に持たせてくれる。これが翌日の朝食になるのですが、つくづく円満退社をしてよかった、と思ったものです。

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。