中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

無職・貧乏になった時にわかる「人の縁」の大切さ

急に貧乏になった時、人間関係にどんな変化が訪れるのか?

 突然会社を辞めたくなってしまい、そのまま辞めた場合、何が起こるのか。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏は、かつて新卒で入社し4年間勤めた会社の最終年の年収は860万円だったが、辞めて1年、無職を経てフリーライターになった。年収は60万円に激減。その時「意外と世間の優しさを知った」と語る。そしてつくづく「人の縁」の大切さを感じたという。中川氏が自身の体験をもとに、無職・貧乏になった時の人間関係の変化について説く。

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 私は27歳で無職になったわけですが、職安(ハローワーク)に定期的に行くのが面倒くさくて、結局失業保険はトータルで3万5000円しかもらえませんでした。本当は90日間で60万円ぐらいはもらえたというのに、「面倒くさい」というだけでもらわなかったのです。

 ところが無職になると「お前暇そうだな」というだけの理由で飲み会のお誘いが案外多くなります。そして「お前は無職だからお金はいらないよ」と言ってもらえ、あの年は散々年上の人々から奢ってもらいました。同年齢や年下から奢ってもらうようなことも1回だけあり、その時は実に恥ずかしい気持ちになりましたが、とかく先輩方が「お前、栄養摂ってるか?」と言い、飲み会に誘ってくれたのです。

 さらには、「田舎のカーチャンか!」と言いたくなるのですが、「栄養摂れよ」と言っては「アーモンド小魚」を、「おかずが足りないだろ」と言ってはふりかけとか佃煮なんかをくれるんですよね。飲み会に行って食べ物が残ったら先輩は「ちょっとこれ包んでもらえますか」と言い、その折詰を私に持たせてくれる。これが翌日の朝食になるのですが、つくづく円満退社をしてよかった、と思ったものです。

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