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パチスロ好き男性、「1日2万円まで」のルールが裏目に出る理由

計算上、勝つ可能性はゼロではないが…

 1日に数万円負けたり、1週間で10万円負けたりするのも珍しくないというヤマモトさん。一体どういう感覚でパチスロを打っているのだろうか。

「一応、自分の中でルールはあります。仕事帰りに夜から打つ場合は、“2万円まで”を目安に打って、2万円でダメそうなら帰るようにしています。休日に朝から打つ場合は財布の中に7万円入れて、それがなくならないように打っています」(ヤマモトさん)

 この「夜から打つ場合は2万円まで」というルールは収支にどんな影響をもたらすのか。パチスロに詳しいジャーナリストはこう話す。

「理論的にはパチスロは1時間で878ゲームほど回せると言われていますが、実質的には800ゲームくらいでしょう。そして、最近の機種で最も出玉速度が速いもので、1ゲームあたりの最大増加枚数は2.8枚程度。単純計算すると1時間にマックス2200枚くらい増えるということですね。換金すると4万4000円相当で、1時間あればこれだけプラスになる可能性があるということです。

 そういう意味では、閉店時間が22時45分として、21時45分の時点で4万円負けていても、閉店までに取り戻せる可能性はある。19時くらいから2万円の投資を上限に打っても、勝つ可能性はゼロではない計算になります。

 しかし、最近のパチスロで一気に1000枚とか2000枚を獲得するなどということは、なかなか難しい。朝から晩まで打っていれば、1日に1回くらいはそういうチャンスもあるかもしれませんが、夜から打って数時間でそれを狙うというのは、流石に無茶。“2万円を上限”と設定していても、それはほぼ完全に“負け覚悟”という遊び方だと思います。むしろ、確実に2万円ずつ毎日負けていくことになるでしょう」

 実際にヤマモトさんも“負け覚悟”という感覚があるようだ。

「自分内のルールをなんとなく決めておかないと、閉店までいくらでも使ってしまう。“夜から打つなら2万円まで”ということにしていますが、2万円負けなら気にならないというか、“仕方ないかな……”という感覚はあります。ただ、夜から打った場合は、プラスになったらできるだけすぐにやめて、それ以上は打たないようにはしています。たまに勝てるときはできるだけ勝ち逃げをするというか。でも、結局トータル的には負けてばかりではありますが……」(ヤマモトさん)

 際限なく負けるよりは“2万円まで”のほうがマシだということだが、2万円ずつ確実に負けてしまう可能性が高いというのが現実か。ギャンブル依存から抜け出す方法として、「使う金額を設定する」という対策法は必ずしも効果的ではないのかもしれない。

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