キャリア

定年後「何歳まで働くか」を考える際に見落とせない“経済的損失”

 それに対してBさんは10年で計2400万円稼ぐ計算になるが、ここから税金と社会保険料を天引きされ、その間にざっと460万円ほど払わなければならない。

 その給料から「老後のために」と爪に火を灯すように貯金しても、いざ年金生活に入った後、蓄えた預金まで持って行かれる。

「軽費老人ホーム(ケアハウス)など介護施設の入居費・食費には年金生活者など低所得者への軽減措置があるが、1人1000万円以上の預金があれば、どんなに収入が少なくても軽減措置を受けられない。ケースによっては月5万円くらい余分に払わなければならないから、預金が減っていく。この資産要件は今後、高額療養費や高額介護費などにも適用を拡大することが検討されている」(ベテラン社労士)

 その点、完全リタイアであれば“損失”はなく、軽減措置も受けられる。

 働き続けることで得られるメリット(収入増)は大きい。しかし、それによって失うものも出てくることを考えておかなければ“こんなはずじゃなかった!”という事態にもなりかねない。

※週刊ポスト2019年5月17・24日号

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