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ネット広告へのストレス 広告ブロックに課金する消費者の心理

YouTubeで何度も同じ広告が出るのが嫌で、月額1180円払う

 都内在住の30代女性・Bさんは、YouTubeで好みの映像や音楽を楽しむことが多い。動画再生前に、6秒間や15秒間のCM動画が差し込まれることもあったが、そのことがずっと苦痛だった。

「早く目当ての動画を観たいのに、観たくない広告を見せられることが本当に嫌でした。よく流れてきたのは、外資系メーカーのひげ剃り、外食チェーン、携帯キャリアのCM動画。関心を惹くためか、通常の動画の音声と比べて大きな音が流れることも多い。何度も同じ動画と出くわすと、かえってその企業が嫌いになったり、購入を控えるようになることもありました」

 昨年11月、YouTubeを広告なしに利用できるYouTube Premiumというサービスがスタートした。月額料金は1180円と決して安くはないが、Bさんは初日からずっと愛用している。

「CM動画も当然ですが、トップページ上の広告も一切表示されなくなりました。昔は、毎回CM動画を6秒でスキップしていたこと自体も、忘れつつあります。テレビでも、見たくないCMをスキップできる機能があれば、いいと思いますね。例えば有料会員であれば、本編で止むなく落とされた関連コンテンツが見られたり、スポーツ中継であれば会場の映像が観られるようになれば、満足度も高いと思います」

 広告が表示されない快適さを得た一方で、感じることもあるという。

「新商品やサービス、セールなどのお得な”最新情報”が一切入らなくなりました。かつては話題になる前にCM動画で新しい情報を知っていましたが、旬な話題についていけないことも増えました」

 GoogleやFacebookといった大手のプラットフォームも広告収入が売上の大半を占める一方で、利用者の“広告嫌い”も理解している。不快な広告を排除するために業界団体を組織し、収益とユーザー体験を両立しようと躍起だ。見たくない広告を見ないために、お金を払ってでもいいと考える消費者が増える中、広告を通じて”商品を届けたい”企業側の姿勢もますます問われることになりそうだ。

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