住まい・不動産

老親の住む家は「持ち家」と「賃貸」どちらを選ぶべきか

家を売ったら日当たりの悪いアパート暮らしに

 陰山さんの母親は、思い入れのある実家を離れることなど、まったく頭にない様子だったという。しかし、築40年を超え、バリアフリーどころか段差だらけで、建具もガタガタと今にも倒れそうな家で、老いた親が暮らすのはかなり不安だ。それに、子供たち3人が巣立った家は無駄に広くて、半分の部屋は荷物置きになっていて、一切使われていない。

 それならば、持ち家を売却してしまい、使い勝手のいいコンパクトで安全な賃貸住宅に住み替えたらどうか──そんな悩みを抱える人は多い。

 持ち家に住み続けるか、賃貸に替えるか。それを決めるポイントは次の2点。まず第1に、子供がその家を受け継ぐかどうか。将来、子供が実家に移り住む予定があれば、そのまま持ち続けて相続すればよいだろう。

 もし親の死後、古い実家には誰も住まないのであれば、「売却」を検討する必要がある。わくわく法人rea東海北陸不動産鑑定・建築スタジオ代表の中山聡さんが話す。

「やがて空き家になることが明白なら、親とよく話し合ったうえでできるだけ早期に売却を検討してほしい。長い間住んでいれば、老朽化して問題があちこちに必ず起きる。特に陰山さんのように、高齢になってからでは家の管理が行き届かず、家は朽ちるばかりです。そうした問題が増える前に売ってしまいたい」

 広い家を老夫婦2人で持て余すくらいなら、資産価値の高いうちに持ち家を手放して、駅近だったり子供の家の近所だったりと、便利な賃貸マンションに住み替え、コンパクトに暮らすのも一考だろう。

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