住まい・不動産

「老親の家」の売却 親の生前にすべきか、死後にすべきか

 維持するのもお金がかかる。税理士の保手浜洋介さんが話す。

「誰も住んでいなくても、固定資産税と都市計画税がかかります。首都圏郊外の一戸建ての場合、年間15万~20万円ほど。それだけでなく、倒壊などの恐れがある『特定空き家』に指定されてしまったら、土地の固定資産税はこの6倍、都市計画税は3倍に跳ね上がります。解体して更地にしたとしても、解体費用のほか、税金は同様に6倍に。空き家になる前の『生前』に手を打つことが大切なのです」

 とりあえず親が亡くなるまで放っておこう―─そういう考えも「負け組」へ一直線。もし売却するなら親の生前にするのが「勝ち組」だ。税理士の福田真弓さんが話す。

「自宅を売却する際、生前には、譲渡所得から3000万円が控除されて税金が計算される『マイホームを売ったときの特例』があり、死後にも、同じく3000万円が譲渡所得から控除される『被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例』があります。どちらも金額は同じですが、死後の特例は適用条件が非常に厳しい。逆に、前者の適用のハードルは低いので、『生前』に特例を利用することをお勧めします」

 ただし、注意も必要だ。売る前に一度、短期間でも家を貸してしまったら、この特例は使えなくなる。有利に売るため、「生前」に親と「家をどうしたいか」をしっかり話し合えるかが大切だ。

※女性セブン2019年5月30日号

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