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相続で揉めないために 生前に「財産の全容」を把握するポイント

永久に預金がわからなくなる

「老親が生きているうちにできる相続対策」として最初にやるべきは、財産がどれだけあるかを把握し、その総額を知ること。そのためには「書き込み式シート」を作成して準備しておきたい。まずは、資産の大部分を占める「不動産」だ。曽根さんが話す。

「自宅のほか、賃貸不動産や別荘、田畑などすべての土地、建物が対象です。共有名義のものも含まれます。住宅ローンなどの負債も忘れずに記載して、全体の財産から差し引くようにしてください」

 不動産の「評価額」欄には、毎年5月頃に届く「固定資産税納税通知書」記載の金額を記入する。自治体窓口で「固定資産税評価証明書」を取得することでも確認できる。相続・終活コンサルタントの明石久美さんが話す。

「自宅がすでに他界した祖父や祖母と、親との共有名義だった場合は注意が必要です。親の死後、相続時に名義を変更しようと思ったら、祖父の相続人をすべて探し出す必要があります。資産を洗い出す際、共有名義のものを見つけたら、できるだけ親の生前に対処してもらうと、相続時の手間は格段に減ります」

 次に「預貯金」だ。これも、メガバンクや地銀、ゆうちょ銀行やネット銀行など、どこにいくら預けているかをすべて書き出す。ただ、実際には骨の折れる作業だ。半年前に父親を亡くした山崎さん(52才・仮名)の話。

「用心深かった父は、ペイオフ制度の上限額1000万円ずつを、各金融機関に分散していました。通帳や印鑑も家のあちこちに分散して保管し、その組み合わせもわからない。父の死後、家捜ししてやっと2000万円分の預金は見つけましたが、通帳や取引明細も届かないネット銀行の口座は捜しようがありません。未だに受け取っていない預金があるはずなんです」

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