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親子で取り組む生前整理、目的は“大切なもの”を選び残すこと

老親の気持ちを尊重するようにしたい(イラスト/オモチャ)

老親の気持ちを尊重するようにしたい(イラスト/オモチャ)

 元気なうちに住まいの中の物を片付けるのが生前整理。財産などの情報整理とともに、重要な終活の1つだ。問題は、衰える一方の老親の気力・体力。長年積み重ねてきたたくさんの“物”と“思い出”の整理は、一筋縄ではいかない。子供世代の支援が重要だ。

 戦中戦後、物のない時代を経験し、高度経済成長期に懸命に働き、たくさんの物に囲まれて生活する喜びを謳歌した70代以降の老親世代。多くの家には、長い年月にため込まれた物があふれている。

 掃除、片付けの達人として数々の家の片付けを支えてきた生前整理普及協会・代表理事の大津たまみさんが語る。

「片付けには、物の要不要の判断力と分別力、思い切って処分する決断力、把握して使いこなす管理力、基本的な体力と、5つの力が必要。年を重ねるとその力が日に日に衰えるので、生前整理は一日でも早く始めましょう」(以下、「」内同)

 年を取るごとに部屋が散らかりやすいのは、なるほど、そのせいだ。

「生前整理というと、“死に支度”などというイメージがあるかもしれませんが、そうではありません。もちろん亡くなった後のことも見据えますが、何よりその時までの人生をより充実させるための整理。老いた心身が安全、快適に過ごせるよう、物とのつきあい方を変える大きな転換期なのです」

 物が散らかった部屋はつまずきや転倒の危険が大。最近、頻発している地震や水害の被災状況を見ても、物が多すぎるリスクは明らかだ。

「物を減らすことが大前提ですが、単にスッキリさせることだけが目的ではありません。生前整理の最大の目的は、自分(親)にとって“大切な物”を選び残すこと。それらを把握して管理できるように整理するのです」

“大切な物”を厳選しておけば、たとえば施設などに移る場合も、持参する荷物がすぐにまとまる。身軽になるということなのだ。

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