中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

コロナ被害が直撃、7000万円損失のライブハウス運営の憤り

無観客ライブに出演した中川淳一郎氏(手前右)とヨッピー氏

無観客ライブに出演した中川淳一郎氏(手前右)とヨッピー氏

 新型コロナウイルス感染拡大の影響により、大人数が集まるイベントの自粛が政府から要請されている。次々とイベントが中止・延期となっているが、その影響を大きく受けているのがライブハウスだ。大阪の複数のライブハウスで「集団感染」が確認されたこともあり、「密閉しており換気が悪い」「狭くて人と人が密着している」など、そのリスクも大きく報じられている。

 そんな中、ライブハウス側も、感染対策として、無観客で生配信をするなどの手を打っている。3月16日にライターのヨッピー氏と編集者の漆原直行氏とともに、東京・新宿のロフトプラスワンで無観客生配信を行ったネットニュース編集者の中川淳一郎氏が、その日の様子を振り返るとともに、ライブハウスの窮状をライブ関係者に聞いた。

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 その日のテーマは「新型コロナ禍とインターネットと日本人」というもので、最近の世の中に関する違和感を語りました。冒頭では、ロフトプロジェクト副社長で阿佐ヶ谷ロフトA店長である前川誠氏も登場し、窮状を訴えました。ライブハウスが今置かれている状況については後述しますが、今回の件でひとつ活路が見出だせたのは有料生配信についてです。

 どうしてもライブハウスとなると、よっぽどの追っかけがいる人を除き、日本全国の人が観ることはできない。しかし、ネット配信にすれば、2000円として全国の500人が課金すれば100万円の売り上げになります。来客に飲食を提供したりする必要もないわけで、人件費も下げられます。これからのライブハウスは本格的に生中継に進出することも視野に入れておいた方がいいでしょう。

当日はこんなことを話しました(左から漆原氏、中川氏、ヨッピー氏)

当日はこんなことを話しました(左から漆原氏、中川氏、ヨッピー氏)

 今回、我々は視聴無料でニコニコ生放送の「投げ銭」システムのみを収入源にしました。2000人以上が視聴したのですが、結局投げ銭の合計金額は2万円ほどです。当然ギャラはゼロで会場としても大赤字です。私もヤケになってビールを飲みまくり4500円ほど会場に支払いました。後から色々な人に話を聞くと「投げ銭をしたかったけどどうやってやればいいのか分からなかった」「一旦中継から離れて、クレジットカード番号を入れて、それで登録して、さらにどこからどうやって投げ銭を出せるのかが分からないし、私のIDとかが画面に表示されるのもイヤだったので投げ銭できませんでした」といった声もありました。課金のやり方については、やりやすいプラットフォームを使うのが良いのでしょうね。

 さて、無観客ライブですが、やはりお客さんの反応や笑顔が見られないのが少し寂しかったですね。ニコ生のコメントがあれば、そこそこ反応は分かるのですが、そこかしこで酔っ払った人々がゲラゲラと笑っていたりしてこそ、演者としてはやる気が出ます。そして終わった後の拍手とか、終了後に少し客席に降りてお客さんと直接喋ったりするのも醍醐味です。「実は仕事の相談がありまして……」なんてオファーがもらえることもあるのですが、もちろんそれもなかったですね。というわけで、私としては早く全国のライブハウスに活気が戻る日を楽しみにしております。

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