中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

物欲が少ない人生も悪くない 有事の際に際立つ「ケチ」の強さ

 そして、今回のコロナ禍です。幸いなことに私は物欲がほとんどないため一切のローンはありません。毎月出ていくカネについては、家賃光熱費を除けば携帯電話代(ガラケー)、インターネットプロバイダ代、ポケットWi-Fi代、ウォーターサーバー代ぐらいのものです。

 ゴルフもやらないしスマホゲームもやらないし、時計なんて携帯電話があればどうでもいい。女性の歓心を引くためにアクセサリーやバッグやらを贈ったことは人生で一度もないし、自分どころか他人の物欲をもスルーする人生を送ってきました。

 モノを求めるような女性と仲良くなりたいと思ったこともないし、ゴルフやらスキューバダイビングにハマった友人と付き合うこともない。「大人買い」をしたことがあるのは唯一、横山光輝の漫画『三国志』全30巻セットを買った程度です。結局、有事の際に強いのはケチであることなんだと思います。

 もちろんその他の出費がなかったわけではありません。私の場合、月に15万円ほどは飲み代に使っていましたが、この飲み会はほぼすべてが誰かから誘われたもので、ほぼ全員が自分よりも若いため多く支払うか奢ってきました。これがコロナのせいで完全になくなってしまったため、今では本当にカネを使わない。だからといってつまらないかといえば全然そんなこともなく、時間をかけてブリ大根やらキーマカレーを作る日々を過ごしています。

「これを機に米ドラマ『24』のDVD-BOXを買うか!」とか特になるわけでもなく、相変わらず淡々と自宅でできる仕事を続け、ニンテンドー3DSで『三國志』か『ドラクエV』をやる日々です。トイレでは『美味しんぼ』を読み、もっとも好きな作家である椎名誠氏と東海林さだお氏のエッセイを読む。同じものを何度も何度も読み返すことにより、自分の書く文体を確かめたり、好きな作家の考え方を自分の血肉とさせたりする効果があります。

 常に新しいものを欲しがるような性質でなくて、本当にこうした有事の際は助かっていると思います。

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