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がん保険の落とし穴 入院日数に注意したい「180日ルール」とは

「特約」で弱点をカバー

 前出・川崎氏が続ける。

「たとえば『抗がん剤特約』(60歳未満なら月500円程度)は、抗がん剤治療に対して『1回の治療につき』ではなく『抗がん剤治療をした月』ごとに支払われます。中には、1か月あたり5万円から10万円ほどの保障が受けられるものもあります」

 さらに、入院せずに抗がん剤治療などを受ける場合にかかる通院治療全般を保障する「特定治療通院」という特約もあるが、「注意が必要」だと前出・川崎氏。

「サラリーマンの方の場合、治療のたびに病院まで出かけるには、毎回休みを取得しなければなりません。仕事を続けるために『飲み薬で治療』を選ぶケースがあるのですが、がん保険のなかには“飲み薬は保険の対象外”というものが少なくありません。契約する前によく注意しましょう」

 ただし、高額療養費制度を利用できれば、抗がん剤治療でも回数に関係なく毎月の支払い上限は決まる。川崎氏が言う。

「当然ながら、特約を付ければ付けるほど、保障が手厚くなる一方、月々の保険料は高額になります。高額療養費制度(公的医療保険)の存在を前提に、それではカバーできない部分がどれくらいあるかを考えることが重要です。

 公的医療保険でカバーされない自由診療といった自費での治療を受けたいかどうか、病気になったときの治療費だけが保障されればいいのか、生活費まで捻出したいのか。通院を考えるなら、自宅は大きな病院から遠いのか近いのか、といった事情を踏まえて、“民間の保険に何を求めるか”を整理して考える必要があります。その上で、“診断給付金はいくらか”“入院でも通院でも保障は受けられるか”といったポイントを考えていくのがよいでしょう」

※週刊ポスト2020年7月3日号

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