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調べればわかるのに… 大学教員が戸惑う「学生の検索離れ」の実態

 関西の私立大学で教鞭をとる大学教員(30代・男性)は、こう分析する。

「彼らはネットリテラシーが低いわけではありません。むしろ“高すぎる”がゆえに、検索エンジンで検索するという文化自体が『古い』のでしょう。1990年代末から2010年の間に生まれた世代は、小学生時代からYouTube、中学生からスマホを持ってTwitterに親しみ、InstagramのダイレクトメッセージをLINE変わりに使用している。

 日頃からInstagramやTwitterでのハッシュタグを使って欲しい情報にアクセスしているので、わざわざ検索エンジンを使わないのです。いまの学生は、もう『ググれカス』を知りませんからね(笑い)。ただ、上手に調べることも一つの大事な能力です。図書館の蔵書や論文検索、新聞・雑誌アーカイブなど、学術的な営みにおいて検索のスキルは非常に重要です。

 10年ほど前までは『今どきの学生は辞書で調べず、すぐネットで検索して済まそうとする』という若者批判がありましたが、今ではネット検索のスキル自体を教育すべきときを迎えているのではないでしょうか」(同前)

「ググれカス(ggrks)」とは、ネットスラングのひとつで、ネット掲示板上ですぐ人に尋ねず、自分で調べてから書き込みをしろという警句だが、2000年代生まれの学生たちにとっては、この言葉自体が死語と化しているようだ。

 徐々に顕在化してきた「学生の検索離れ」。オンライン講義は今後も続くことが予想されるなか、学生がみずから進んで検索し、わからないことをまずは自分なりに調べてみる習慣とスキルを養うことが求められる。

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