キャリア

オンライン講義導入で負担が激増する大学教員たちの悲鳴

評判が良かった「YouTuber方式」の講義スタイル

 労力がかかるのはハイブリッド型だからでではない。関西の私立大学准教授・Bさん(30代女性)が、オンライン講義自体の苦労を語る。

「現在、演習系4コマ、講義3コマ、大学院4コマを担当しています。従来の大教室の講義であれば、映画やドキュメンタリー映像を流すこともできました。しかし、オンラインへの以降で、15コマ90分間の講義動画を撮影しなくてはならなくなった。むしろ従来の対面方式のほうが圧倒的に負担は少なかったです。

 経済学は数式も扱うため、PDFの配布だけでは理解できない学生もいるので工夫が必要です。学生から反応が良かったのが、ホワイトボードの前で塾講師のように解説する動画を、YouTubeに限定公開するやり方。アンケートでは『YouTuberっぽくて良かった』といったコメントも多かったです。

 とはいえ正直、1回の講義用の90分の動画を撮るだけでも、とても時間がかかります。その編集作業にくわえて別途、PDFで講義資料や小テストも配布している。これを1週間に何コマもこなすと、研究に費やすエフォートがなくなります」

 同氏が指摘する「エフォート」とは、「研究者の年間の全仕事時間を100%とした場合、そのうち当該研究の実施に必要となる時間の配分率(%)」のこと。「全仕事時間」とは、「研究活動の時間のみを指すのではなく、教育活動や医療活動を含めた実質的な全仕事時間」を指す。オンライン講義の準備や採点によって教育活動に費やす時間が増える分、研究活動に使うことができるエフォートは自ずと減少する。

出席点での採点がNGになって…

 講義のオンライン化に伴い、より教員の時間を奪うようになったのが、大量の採点だ。関西の別の私立大学准教授・Cさん(30代男性)が語る。

「これまで勤務先の大学では、学生が学生証を機械にかざし、デジタルで出席を取るシステムでした。しかし、オンラインになったことで『出席点という方式はNG』と通達があった。そのため出席の代わりにオンデマンド講義を受講した証明として、毎回の課題提出を課すようになりました。

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