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新料金プランが魅力的でも「キャリアメールの呪縛」から逃れられない人たち

“キャリアメールの呪縛”に囚われているのはAさんだけではない。化粧品メーカー勤務の30代女性・Bさんは、格安スマホとガラケー(フィーチャーフォン)との2台持ちをしている。キャリアメールを維持するためだけに、月に約1000円ほどの費用が生じているという。

「子供が通う小学校からの一斉連絡に使うメールアドレスとして、学校側がキャリアメールを推奨しているんです。フリーメールだと受信拒否される可能性があるとかで……。それでキャリアメールを登録しているので、手放すわけに行かず……。しかも、親同士のPTA活動などの学校関連も、なぜかキャリアメールが主流。他ではキャリアメールを使わないので、無駄だなあと思いながらも使い続けざるを得ない状況です」(Bさん)

 Bさんを悩ますのは学校だけでなく、60代の両親との連絡手段だ。両親はともにスマホユーザーだが、未だにLINEには移行しておらず、連絡のメインはキャリアメールか電話だという。何度もLINEへの移行を促してみたもののダメだった。頑なにこだわるのには理由があるようだ。

「親自身はLINEを使ってもいいと考えているようですが、親の友人がキャリアメールユーザーで、どうにもならないというのです。『フリーメールのアドレスを教えればいい』と助言して、親も一度そうしてみたのですが、相手側に迷惑メール扱いされたのか登録方法がわからないのか、それ以降、連絡が返って来ない人もいると言います。そうしたリスクを避けたいので、キャリアメールを維持しているようです」(Bさん)

 一方で、先の2人とはまた違う理由でキャリアメールを手放せない人もいる。IT企業に勤める30代男性・Cさんだ。高校・大学時代、好きなアーティストや漫画の登場人物、はたまた恋人の名前や誕生日などを入れたアドレスを使っていた。Cさんは現在、キャリアメールをほぼ使用していないが、スマホとガラケーの2台持ち。キャリアメールは「保存しておきたい」と言う。

「最後にアドレスを変えたのが、大学時代に付き合っていた彼女の名前入りのもので、なんとなく手放したくない。キャリアメールって、なんか特別感があって……。キャリアメール維持費用は、思い出の保管料金だと思っています(笑)」(Cさん)

 キャリアメールにこだわるのにはそれぞれの事情があるようだ。安い新料金プランは魅力的だと感じつつも、「キャリアメールの呪縛」から離れられず、なかなか移行できない人も少なくないのかもしれない。

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