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森永製菓社長「チョコモナカジャンボ」パリパリ食感の秘密教えます

ロングセラー商品ならではの取り組みとは?(森永製菓・太田栄二郎社長)

ロングセラー商品ならではの取り組みとは?(森永製菓・太田栄二郎社長)

「在庫を持たない」

──会社人生のターニングポイントは?

太田:2009年に事業本部長として入社後初めてアイスクリームを担当したことですね。

──森永製菓のアイスといえば、1972年発売の「チョコモナカジャンボ」は日本で一番売れているアイスクリームと聞いています。

太田:森永製菓は「チョコボール」(1967年発売)や「ハイチュウ」(1975年発売)などのイメージも強いですが、実は「チョコモナカジャンボ」の売上が単品で最も大きいです。販売額も19年連続で伸び続けています。

──なぜそこまで売れている?

太田:「チョコモナカジャンボ」ならではのパリパリした食感が支持されているのだと思います。それを実現しているのが徹底した鮮度管理です。

 アイスクリームは夏の需要に合わせた製造能力を持つと通年ではオーバースペックになります。賞味期限もないので、冬の間に“作りだめ”をするのが業界の常識でした。しかし、製造から時間が経つとアイスの水分がモナカに移ってパリパリ感が失われてしまう。

 そのため「チョコモナカジャンボ」は製造能力を増強し、“作りだめ”をすることなく製造後5日以内の出荷を目標としています。小売店にも在庫をあまり持たないようにしてもらっています。

──売れる商品だけに「もっと仕入れたい」という店も多いのでは?

太田:そこは「新鮮であることが価値だ」とお店の方に理解していただくしかありません。小売店に出向いて、製造後2か月経った商品と、できたてのものを食べ比べてもらう啓発活動もやりました。

 製造にも物流にもコストがかかりますが、そのこだわりが皆様のご評価に結びついているのだと思います

──他に力を入れている商品は?

太田:1994年から販売している「inゼリー」ですね。当初は「10秒でとれる朝ご飯」というコンセプト。200円という価格もあって、社内からも「売れないだろう」という否定的な声が少なくなかった。しかし、健康志向の高まりと社会の多様化でニーズが広がっていきました。今では手軽に摂れるエネルギーとして、体調がすぐれない時の栄養補給、登山やスポーツ、受験勉強のお供としてなど広く受け入れられています。

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