吉田みく「誰にだって言い分があります」

環境配慮で注目の「布おむつ」、使う&使わないママたちの家庭の事情

おむつ選びにも「家庭の事情」が反映する(イメージ)

おむつ選びにも「家庭の事情」が反映する(イメージ)

「紙おむつと布おむつのどちらを使うべきか」──育児や医療・介護などの場面で欠かせないおむつを巡る論争はこれまで何度も繰り返されてきた。最近では、国連で決議された世界の共通目標「SDGs(=持続可能な開発目標)」達成に向けての議論の中で「おむつ問題」が取り上げられることもある。育児中の3人の母親に、フリーライターの吉田みく氏が話を聞いた。

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 紙おむつは育児や介護における手間を軽減させる効果が大きいものの、環境への負荷は大きい。SDGsの情報発信サイト『SDGs media』によると、特に使用済おむつの処理では焼却炉の温度を下げてしまう問題があり、炉の温度を上げるための「助燃剤」を使用するためコストがかかるという。焼却により二酸化炭素排出量が増えることを問題視する向きもある。

 日本衛生材料工業連合会の推計で0~3歳児の90%が紙おむつを使用するなど、布製と紙製では紙おむつが圧倒的多数を占めている。介護需要が高まっていることもあり、環境省は〈使用済紙おむつの再生利用等に関するガイドライン〉を定めてリサイクルに取り組み始めているが、SDGs達成に向けてはまだまだ工夫が必要かもしれない。

 多くの家庭で紙おむつを使用している中、布おむつに魅力を感じ始めたという育児中の家庭から話を聞くことができた。

 都内在住の部品メーカー勤務、斎藤恵理子さん(仮名、30歳)は、入所が決まった保育園が布おむつを使用していることがきっかけで、おむつに対する考えが変わったという。現在、子供は2歳の娘。

「保活激戦エリアだったので、保育園を選べる状態ではありません。入所が決まった保育園では布おむつを使用していると聞き、洗濯の手間が増えると思いましたが、業者に委託していたので親の負担は一切ありませんでした」(斎藤さん)

 保育園に入所するまでは紙おむつのみを使用していた斎藤さんだったが、布おむつがメインとなったことで、紙おむつ代は激減。1日5枚前後は使っていたそうだが、休日しか使わなくなったため、出費も抑えることができたそうだ。

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