中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

なぜ父は往復3時間超の通勤時間を「無駄ではない」と言ったのか

通勤時間は無駄なのか、無駄じゃないのか?

通勤時間は無駄なのか、無駄じゃないのか?

 リモートワークが定着した人々から「今までの通勤時間がいかに無駄だったかを実感した」といった声も聞かれるようになったが、別の意見もある。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏は、かつて父親から「通勤時間は無駄ではない」という話をよく聞かされていたという。はたして通勤時間は無駄なのか、そうでないのか──。中川氏が考察する。

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 私は2001年からフリーになり、その間、東京ニュース通信社(築地)と小学館(神保町)に時々通っていましたが、基本的には自宅で仕事をし続けていました。

 築地には2週間に1回、神保町には週2回通いました。このぐらいだったら気分転換に良いのですが、毎日、しかも長時間の通勤だったら堪らなかったなぁ……と感じています。

 というのも、私も新卒サラリーマン1年目の1997年、東京・立川の実家から田町にある会社まで毎日通勤していて、本当に苦しかったからです。まず、家から立川駅までは2.5kmあったため、バス停まで7分かけて歩きます。立川駅までの道は片側一車線のため、渋滞も多く、バスでも15分ほどかかる。立川駅に着いた段階でもう22分です。そして、JR中央線に乗って神田まで行き、山手線か京浜東北線に乗り換えて約12分、ようやく田町に着きます。

 ご存じの方も多いでしょうが、朝7時台の中央線は悶絶の混雑ぶりで、しかも遅れがちです。結局ドア・トゥ・ドアで1時間40分です。帰りも同じぐらい時間はかかるため、毎日3時間20分を移動に使う計算となります。

 奇遇なことに、父親も同じ田町まで通勤していたので一緒に電車に乗っていたのですが、本人はケロリとしていました。さすがサラリーマン道の有段者だ! と感心したのですが、私は苦しくて仕方がなかった。父の言い分は以下の通りです。

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