住まい・不動産

同棲解消で相手が引っ越し費用請求 払う必要はあるのか、弁護士が解説

 つまり特約がない限り、運送費用は義務履行者の負担になります。男性は自分の負担を否定しているくらいですから、そのような特約はないと思います。

 そこで【1】の場合であれば、引っ越し費用は娘さん負担と考えられます。しかし例えば、別居の原因が男性側にあり、DVや不貞行為など不法行為になるようなことをして、やむなく別居を受け入れたような場合には、男性に不法行為責任があります。その場合、娘さんは男性に対して不法行為に基づく損害賠償請求権を取得します。引っ越し費用も不法行為による損害と考えて、費用負担を要求することもできるのではないかと思います。

【2】の場合も同様であり、男性の引っ越し費用を娘さんが負担する必要はありません。ただこの場合は、家主との関係が問題になります。男性が自分の物を住まいに置いたまま出ていくと、借家契約の明渡義務の違反になり、違約金が発生します。

 借家契約上の借主が娘さんの場合はもとより、保証人になっている場合は、男性の無責任な対応によっては困った事態になることもあります。その場合は男性を上手になだめて、部屋をきれいにして立ち退くことが大切です。

【プロフィール】
竹下正己(たけした・まさみ)/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。射手座・B型。

※女性セブン2021年6月17日号

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