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1本4万円「メガネスーパー」はなぜ高くても売れるのか? 社長が語る戦略

ビジョナリーホールディングスの星崎尚彦社長(撮影/山崎力夫)

ビジョナリーホールディングスの星崎尚彦社長(撮影/山崎力夫)

「訪問販売」を強化

──その後、2000年からスイスの宝飾品メーカー「フラー・ジャコー」、イタリアのシューズ・時計ブランド「ブルーノマリ」、スノーボードの米国「バートン」の日本法人トップを歴任。2012年には、投資ファンド「アドバンテッジパートナーズ」の要請で、アパレルメーカーの「クレッジ」の経営再建に取り組み、1年半でV字回復を達成します。

 同じくアドバンテッジパートナーズから「メガネスーパー」の再建を託されたのが2013年6月のことでした。それからわずか3年の2016年、8年連続赤字だった同社は黒字に転換します。

星崎:外資系の様々な企業を再建して、どんな業界でも経営者がやるべきことは同じだと実感しました。

 無駄な在庫は持たない、リスクを軽減する、商品の単価を上げて利益率を上げる。そのためには、ダラダラ会議をせず、迅速に決断する。決めたら実行、実行したら検証し、結果が出るまでやり続ける。そしてその責任は経営者がきちんと取る。

 すべて当たり前のことですが、当時のメガネスーパーはできていなかった。「普通のことを普通にやる」を徹底しました。

──着任当時、メガネ市場ではJINSやZoffなど低価格路線の企業がシェアを伸ばしていた。星崎さん就任以前のメガネスーパーもその路線に追随していました。

星崎:結局、戦略なき他社追随だったんです。他社が安くするからウチも、と。そうやって全部失敗していた。たとえば500円のフレームに500円のレンズをはめて、原価1000円のものを売価7000円に設定すれば利益が出る。原価が5000~7000円かかるメガネスーパーが同じ額で売ったら赤字になるのは当たり前です。

 そこでメガネスーパーは「アイケア」というコンセプトを前面に出した。メガネスーパーが他社と最も差別化できるのは正確で丁寧な目の検査であり、それぞれのお客様にベストマッチした高品質のレンズです。その点を研修を通じて徹底的に強化した。

 たとえ高額でも、それだけの価値がある商品とサービスを提供すればきっとお客様は評価してくれる。広告宣伝費を出せない分、お客様の口コミで地道に広げていこうと考えました。

 付加価値なき小売業は、将来的には自販機に置き換わってしまうというのが私の持論。だから今の時代こそ安心と信頼の接客が大事です。その考えを全社に浸透させるまで1年半かかりました。

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