吉田みく「誰にだって言い分があります」

客足が減った「夜の街」で収入を維持するキャバ嬢たちの適応力

 一見すると収入が減ったように思えるものの、コロナ前と比べあまり変化はないという。その背景には、浅野さんに対して本気度の高い客たちの存在があった。

「私の収入は、私を恋愛対象として見てくれているお客さん4名で成り立っています。全員、SNSで私を知り、来店してくれています。1回の来店で平均20万円くらい使ってくれますよ。どのお客さんも普通のサラリーマンなので、お金の出所が気になるところではありますが……」(浅野さん)

 客とのメッセージのやりとりの大半が、「いつお店辞めるの?」や、「どれくらい使ったら付き合える?」と言ったものばかりだという。最初のうちは真剣に向き合って考えていたものの、コロナで先の見えない不安から、あまり深く考えずに接客するようになったと、浅野さんは話していた。

「色恋営業は長く続かないことは知っています。でも今はこの方法しかお客さんを繋ぎ留めておく手段はないのが本音です。最初のうちは微妙な気持ちでしたが、最近ではその情熱的なアプローチにうっとりとしている自分がいます」(浅野さん)

ホストに「SOS」の電話を掛ける女性客

 浅野さんのようにコロナ禍でも収入をキープできている人もいれば、複雑な心境から営業をかけにくいと嘆く人もいる。

 都内在住の接客業、加藤渉さん(仮名・26歳)は、ホストクラブに在籍して6年目。コロナの影響で、客である女性たちの懐事情が深刻になっていることを話してくれた。

「今まで指名してくれていた女の子たちから、『今はお金がキツイ』と言われることが増えました。職業を聞くことはありませんが、1回に10万円以上使う女の子が多いので、稼ぎの良い夜のお仕事をしているんだと思います。でもコロナの影響で、以前よりも稼ぐことが厳しくなっているとか……」(加藤さん)

 加藤さんのスマートフォンには、指名してくれていた女の子たちからのSOSの電話が頻繁にかかってくると言う。内容の大半が、心身ともに参っているといった内容だそうだ。受話器越しで泣きわめく子もいれば、常にイライラしている子もいるという。

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