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定年後の働き方「安易に始めてはいけないこと」5選 充電期間に要注意

定年後の働き方には注意すべき点も多い(イメージ)

定年後の働き方には注意すべき点も多い(イメージ)

 定年退職後の人生は、現役時代と変わらないほど長い。「生涯現役」が当たり前となりつつあるいまは、定年を迎えてからも第2、第3の人生を歩むことは充分可能だ。現役時代にやり残したことを一念発起して老後に始めたいと考えている人もいるだろう。

 神奈川県に住む今井美代子さん(仮名・57才)は、もうすぐ迎える夫の定年を前に、夢を膨らませる。

「来年、2才年上の夫が定年を迎えます。老後資金は万全とはいえませんが、子供も巣立ったし、それなりの退職金も出るので、30年以上のサラリーマン生活を完走したご褒美にキャンピングカーを買い、夢だった日本一周の旅を夫婦でやろうと話しています。私自身も、フードコーディネーターの資格を取って仕事にしたいと考えていて、通信講座の受講を検討中です」

 しかし、収入も体力も低下する老後は、新たなことに迂闊に手を出すと思いがけないトラブルを引き起こす危険がある。

定年後の「充電期間」が再就職に不利に働く

 平均寿命が男女とも80才を超える現代、60才で定年を迎えた後も働かなければ暮らしていけないというのが実情だろう。だが再就職の前にはさまざまな“落とし穴”がある。高伊FP社労士事務所代表の高伊茂さんが言う。

「聞こえはいいですが、再就職を目指すなら定年後に『充電期間』をつくるのはやめた方がいい。長年、会社のために働いてきた人は、定年後に『夫婦で旅行したい』と計画したり、現役時代は経験できなかった長期の休みを謳歌したいと考えがちです。ところが、その後にいざ働こうとしても、企業側はブランクがある人を積極的に採用しない。定年後に空白期間ができることを避けるため、休暇を取るなら定年前にしましょう」

 給料のいい仕事に就くため、「資格取得」を志す人も多い。しかし、やみくもに資格の勉強をすることは、必ずしも有意義とはいえない。

「たとえば、現役で倉庫で働く人がフォークリフトの資格を取るのは、業務上で必要になりますから取るべきです。しかし、現在および今後の仕事で使うもの以外は慎重になるべき。特に民間の資格や検定はピンキリで、取得するコストに見合わないものも少なくありません」(高伊さん・以下同)

 中高年になると記憶力も文章を読むスピードも落ちるため、資格取得までの道のりは想像以上の負担となり得る。“取っても食えない”ことから、“足の裏の米粒”とも揶揄されるように、仕事で役に立たなければ、お金も時間も労力もすべてムダになるので、勇み足で資格を取るのはやめた方がいいだろう。

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