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森永卓郎氏 日銀の国債買い取りが円安・株高の好循環を生む

 だが、現状ではさらに10兆円や20兆円分の国債を追加発行しても何ら問題はないと考えています。新規発行した国債は、追加金融緩和策として日銀が買い取ればよいのです。

 日銀が国債を買い取り、資金を市場に供給することには、3つの副作用が考えられます。【1】為替相場が円安になる、【2】日本国債の金利が上昇する、【3】日本の物価が上昇する、というものです。

 しかし、現時点でいえば、まず為替相場はかなり円高水準となっているので、これが少々円安に振れてもかえって日本経済にはプラスに働く。

 それから、日本の長期国債はマイナス金利となっている。円高進行により物価も下落しており、6月の消費者物価指数は前年同月比マイナス0.5%と、3年3か月ぶりの大きな下落幅となりました。

 そうしたことから、日銀がさらに国債を買い取ることで危惧される副作用は、現状ではむしろ日本経済を好転させる方向に作用すると考えられるのです。つまりは、それが円安・株高の好循環を生むことにつながるでしょう。

※マネーポスト2016年秋号

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