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【ドル円週間見通し】ドルは底堅く推移するか、FOMCも睨んだ展開に?

今週のドル円注目ポイントは?

今週のドル円注目ポイントは?

 投資情報会社・フィスコが9月6日~9月10日のドル円相場の見通しを解説する。

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 今週のドル円は底堅い値動きか。米国内での新型コロナウイルス感染増加が報告されており、直近発表の主要経済指標は強弱まちまちであることから、米国経済の早期正常化を期待したドル買いは一服した。パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は8月27日、ジャクソンホール会合での講演で資産買入れの段階的縮小(テーパリング)の意義を強調したが、量的緩和策の縮小は早期利上げを示唆するものではないとし、利上げを急がない方針を示した。

 ただ、今月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合で量的緩和策の縮小に関する議論はさらに進展する可能性が高いことから、リスク回避的なドル売りがさらに広がる可能性は低いとみられる。市場関係者の間では「今月21-22日開催のFOMCに向け、各地区連銀総裁などFRB関係者から量的緩和策の早期縮小について前向きな発言が相次ぐ」との見方が広がっており、米国金利の先高観や長期金利の上昇を意識したドル買い・円売りが優勢となりそうだ。欧米、アジア諸国の株式相場はややしっかりとなっていることも、ドル買い・円売りを促す一因となりそうだ。

【米・新規失業保険申請件数】(9日発表予定)
 9日発表の米新規失業保険申請件数は、減少傾向を維持できるか注目される。足元の労働市場はまちまちで、正常化期待はつかみにくい。申請件数が減少し、雇用情勢の改善が示された場合、金利高を背景にドル買いに振れやすい。

【米・8月生産者物価コア指数(PPI)】(10日発表予定)
 10日発表の米8月コアPPIは前年比+6.6%と予想されている。上昇率は7月実績の6.2%を上回る見込み。市場予想と一致した場合、インフレ進行の思惑が強まり、ドル買い要因となりそうだ。

・9月6日-10日週に発表される主要経済指標の見通しについては以下の通り。

○(中)8月貿易収支 7日(火)発表予定時間は未定
・予想は、547億ドルの黒字(米ドルベース)
 参考となる7月の貿易黒字額(ドルべース)は、565.9億ドル。輸出は前年比+19.3%、輸入額は同比28.1%。輸出は伸び悩んでいるが、鉱物資源の輸入減少などで輸入額の伸びは鈍化しており、貿易黒字額は増加している。8月については輸出額の伸びは鈍化傾向にあることから、貿易黒字額は7月実績を下回る可能性がある。

○(日)4-6月期国内総生産改定値 9月8日(水)午前8時50分発表予定
・予想は、前期年率+1.6%
 財務省が9月1日発表した4-6月期法人企業統計調査によると、企業設備投資はまずまず堅調。改定値で個人消費が上方修正される可能性は低いが、設備投資の伸びが想定されており、速報値前期比年率+1.3%から上方修正される可能性がある。

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