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コロナ禍の葬儀場 対策万全でも「集まることへの心理的ハードル」残る

もともと大きな声で騒ぐようなことはないが…(イメージ/写真=AFLO)

もともと大きな声で騒ぐようなことはないが…(イメージ/写真=AFLO)

 新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言は、9月いっぱいで「全面解除」となった。ワクチン接種が進み、新規感染者も減少しているなか、日常を取り戻すことはできるのだろうか──。

 葬式や結婚式など冠婚葬祭は、大勢の参加者との会食が伴うため緊急事態宣言下では開きにくく、「自宅葬」や「オンライン葬」が話題になった。葬儀を家族のみで済ませ、故人を偲ぶ「お別れの会」をコロナ収束後に実施しようと考える人もいるだろうが、今回の宣言解除を受けて開けるようになるのか。

 葬儀ビジネス研究所代表の吉川美津子氏は、「親族以外を呼んでの葬儀や法事といった集まりは、依然難しい」と話す。

「昨年以降、各種会場は感染対策を徹底しており、会食もほとんどなくなりました。もともと大きな声で騒ぐ場所ではありませんから、環境的には安全なケースが多い。ただ、やはり人が集まることに対する“心理的なハードル”が高いんです。親族からの懸念も大きく、引き続き近親者など内々で済ませたいという方が多いと思います」

 一般参列者を呼んでの葬儀は、顰蹙を買う可能性が高いということだ。ある葬儀会社の幹部もこう語る。

「今年6月、『多くの人に愛された母なので、できるだけ盛大に見送ってあげたい』という喪主様がいらっしゃいました。こちらも会場の定員を半分にするなど万全の対策をし、安全であることを説明させていただいたのですが、直前になってキャンセルに。『複数の親族に強く反対され、中止にせざるを得なかった』ということでした」

 こうした状況を乗り越えるために、今後いわゆるワクチンパスポートを活用することも考えられると医師で医療ジャーナリストの森田豊氏は言う。

「法事の際の会食などにも、ワクチンパスポートか陰性証明書を持っていれば参加できるとか、葬儀業者がそうしたルールを設けるケースは出てくると思います」

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