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家計

昔ながらの「街の電器屋さん」の魅力 利用者からは「替えがきかない存在」

店主が高齢になってきたことで心配も

 とはいえ、売上の減少や後継者不足を理由に、廃業してしまう電器店も少なくない。近所の電器店が閉店してしまったという、都内在住の会社員Cさん(40代女性)はこう話す。

「その電器店は頻繁に利用していたわけではないのですが、バルコニーの照明の交換やBSアンテナの設置などを頼んだことがありました。先日、家のLEDランプが故障してしまって、ちょっとした工事をしなくてはならなくなって、依頼しようと思ったら閉店していたんです。“困ったらあそこに電話すればいい”と思っていたので、慌てました。まずどこに工事を頼んでいいかわからず、右往左往してしまって。

 結局ネットで調べて、別の業者に依頼したんですが、やはり初めての業者に頼むのは、ちょっと勇気がいりました。信頼できる電器屋さんがあることのありがたさを今さらながらに痛感しました」(Cさん)

 近所の電器店が、ほぼ“開店休業”状態となり、困っている人も。神奈川県の会社員Dさん(50代男性)が言う。

「何十年もずっとお世話になっていた近所の電器店なんですが、たしか20年くらい前から店舗に商品を並べなくなったんです。それ以来、その店では家電を買うことはなくなって、乾電池や蛍光灯などの消耗品だけを買っていました。それでも、過去に買った家電のアフターサービスとか、ちょっとした電気工事は何度かお願いしたんですが、店主もかなり高齢になってきて、なかなか頼みづらい状況になっています。家電そのものは量販店で買うとしても、工事などは決まったところにお願いしたいと思っていたので、ちょっと残念です」(Dさん)

 量販店や通販サイトの台頭で、その存在感が薄れつつあるものの、個人経営の地域の電器店の手厚いサービスに対する需要は根強い。実際に、高齢者向けのサービスに重きを置き、売上を増やす街の電器店も多いという。まだまだ「街の電器屋さん」を必要とする人たちは少なくないようだ。

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