家計

捨てるに捨てられない「小銭クーポン」の魔力からどう逃れるか

【ADVICE】クーポンの罠は冷静に比較して回避

 はがきやインターネットのサイトで「期限付き・2000円引き」などと書かれたクーポンが届くと、つい「使わねば」と思うが……。『9割の買い物は不要である』などの著書があるマーケティング&ブランディングディレクターの橋本之克さんが言う。

「入手したクーポンが価値の高いものに思える、そうした心理を行動経済学では『保有効果』と呼びます。これは、持っているものを失いたくないと感じる『損失回避』の心理が影響しています。期限付きのクーポンを手にすると、その日までに使わないと損、という気持ちが無意識のうちに生じるのです」

“クーポンの魔力”にハマらないためにはどうする?

「クーポンがなくてもその商品を買うかどうかを考える。いらないと思うなら破棄すればいいのです。普段から愛用している化粧品が2000円引きで購入できるといった場合であれば、もちろん使った方がいいでしょう」(橋本さん)

 ファミレスなどで「次回、人数分のソフトドリンクが無料」というクーポン券をもらうこともある。消費生活アドバイザーの丸山晴美さんが

「ソフトドリンク1杯の原価は10円前後。家族4人でお店に行き、1人1500円使ったとして、6000円。お店側の負担は原価の40~50円程度で、集客ができるなら安いものです。食事をするついでに使うのはいいですが、クーポン消化のための来店は本末転倒。NGです」

【プロフィール】
野原広子/「オバ記者」の愛称で知られる。1957年、茨城県生まれ。空中ブランコ、富士登山など、体験取材を得意とする。

橋本之克さん/マーケティング&ブランディングディレクター。昭和女子大学 現代ビジネス研究所研究員。近著に『9割の買い物は不要である』(秀和システム)。

丸山晴美さん/消費生活アドバイザー、節約アドバイザー、ファイナンシャルプランナー。著書に『「貯まる女」になれる本』(宝島社)など。

文/野原広子、取材・文/藤岡加奈子

※女性セブン2021年12月9日号

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