家計

老後に備える「50代貯金ゼロ」のマネー術 住まいは、年金はどうする?

ファイナンシャルプランナー・風呂内亜矢さん

ファイナンシャルプランナー・風呂内亜矢さん

 固定費を減らすにあたり、医療保険や生命保険を削るかは、お金の専門家の間でも考えが分かれるという。風呂内さんは、60才まで払えばずっと保障が受けられる終身型医療保険と、終身のがん保険がついた生命保険に加入しているというが──。

「もし通院や治療が必要になった際、貯金がゼロだと医療費が払えないので、私だったら生命保険をカットしても、医療保険は継続します」

まずは100万~200万円の貯金を目標に

 貯金は、年100万円の貯金を目標に。少なくとも収入の2割は貯金に回すことをすすめる。

「私の世帯年収が仮に、手取り350万円だった場合、できれば年100万円か、少なくとも収入の2割(年70万円)は貯金します。そのためには、住居費を収入の3割の年105万円に抑えます。手取り年収350万円から、貯金と住居費を引くと残りは145万円。夫婦2人で住居費を除く月約12万円の生活費があればなんとか生活できます。貯金は、収入から自動的に積み立てられるようにし、生活費とは銀行口座を分け、普通預金でも年0.2%と、メガバンクの200倍の利息がつくあおぞら銀行BANK支店などのネット銀行に預けます」

 お金を一気に増やそうと、投資を考えている人は一旦立ち止まってもいいかもしれない。失業や病気、災害などの思いもよらない出費に備えて、100万~200万円の貯金をすることを、まずは第一目標にすべきだという。資産運用はそれからだ。

「貯金がない状態で資産運用をした場合、急な出費が必要になると、株価が下がったタイミングだろうと売却して、運用口座から一時的にお金を引き出すことになります。それではもったいないので、まずは50~52才頃までに200万円程度を貯めて“有事”に備えます。そして、その時点で元気に働けていれば、節税も兼ねて元本確保型の定期預金を『iDeCo(個人型確定拠出年金)』の中で始めます。貯金もiDeCoも順調に続けられれば、予算を調整しながら、少額から『つみたてNISA』を始めてもいいかもしれません」

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