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回転寿司トップのスシロー 揺るがぬ「寿司ネタファースト」と「合理性の追求」

好調スシローの経営哲学とは?

好調スシローの経営哲学とは?

 コロナ禍で外食産業が大打撃を受けるなか、国内外で躍進を続けるのが回転寿司チェーンのスシローだ。独走状態を生んだ経営理念から世界進出の展望まで、同社CEOが明かした。(全3回の第1回)

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 国内市場シェアは30%を超え、2021年9月期決算の連結売り上げは2408億円(前年同期比17.5%増)、営業利益は229億円(同89.9%増)と10年連続で回転寿司業界のトップに君臨するスシロー。

 かっぱ寿司、くら寿司といった同業他社がコロナ禍で営業赤字に転落するなか強気の経営姿勢を崩さず、昨年9月には中国に第1号店をオープン。その他、韓国、香港、台湾、シンガポール、タイ、アラブ首長国連邦にも出店するなど海外展開を拡大し、2024年までに海外約200店舗、連結売り上げ4200億円を目指すと発表している。

 スシローを中心とした複数の外食事業会社を傘下に持つ、FOOD & LIFE COMPANIES(以下F&LC)の水留浩一(みずとめ・こういち)CEOが語る。

「全ての根底にあるのは、創業以来変わらない“寿司ネタファースト”とでも言うべき哲学です。食材は最大限良いネタを仕入れ、可能な限り廉価でお客様に提供するという基本を徹底的に追求した結果、同業他社と比較してスシロークオリティへの評価をいただき、ブランドのベースが築けたのだと思います」

 その哲学を実現するための経営理念は、妥協なき「合理性」の追求だ。

「不必要なコストは徹底的に削り費用も抑えるという意味では、寿司を握る職人も例外ではありません。機械でしゃりを作ってネタを載せれば寿司になる。その分、お客様に喜んでもらえる品質の良いネタには惜しみなく金を使います。

 他にも、ITやAIを駆使すれば人件費も削減できる。インターネット上で注文し店のロッカーで商品を受け取る自動土産ロッカーや、自動受付・案内システム、画像認識による自動会計システム、セルフレジでの自動精算など、多くの仕組みを前々から開発していました」(水留氏、以下同)

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