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大前研一 「ビジネス新大陸」の歩き方

米中新冷戦、ウクライナ危機…日本はこのままアメリカに従属してよいのか

2022年2月15日 7:00 週刊ポスト

 また、アメリカはウクライナ情勢をめぐってロシアと対立し、両国間の緊張が高まっている。冷戦終結時、アメリカはNATO(北大西洋条約機構)の東方拡大はしないと約束したのに、それを反故にした揚げ句、ウクライナも加盟させてミサイルを配備しようとしているのは許容できない、というのがロシアの主張だ。これはかつての「キューバ危機(※)」と同じ構図(立場は逆)であり、ロシアのプーチン大統領が強硬に反発するのは当たり前である。

【*注:キューバ危機/1962年、旧ソ連がキューバに核ミサイル基地を建設していることが発覚してアメリカがカリブ海でキューバの海上封鎖を行ない、米ソ間の緊張が高まって核戦争寸前となった出来事】

アメリカの“ご都合主義”

 今のアメリカは民主主義陣営のリーダーたり得るのか、大きな疑問符が付く。

 たとえば、イラク戦争。アメリカはコリン・パウエル元国務長官が国連安全保障理事会での演説でイラクのフセイン政権が大量破壊兵器を開発していると非難し、開戦した。しかし、大量破壊兵器は見つからず、パウエル氏は自身の国連演説を「人生の汚点」と悔いた。アフガニスタン戦争では20年間・1兆ドル(約114兆円)超を費やしながら、結局は逃げるように撤退し、タリバン政権が復活して元の木阿弥になった。

 一方、エジプト、タイ、ミャンマーはクーデターによる軍事政権の独裁体制になっているが、それらの国に対してアメリカは何の制裁もしていない。つまり、自国の利害に影響がない場合は無視する“ご都合主義”なのである。

 グローバル経済や環境問題でも実に身勝手だ。トランプ前大統領はTPP(環太平洋経済連携協定)やパリ協定(地球温暖化対策の国際的な枠組み)から離脱し、NAFTA(北米自由貿易協定)も破棄した(結局、名称を変更した新協定を締結)。

 さらに、イランの核兵器開発を大幅に制限する「イラン核合意」からも離脱して経済制裁を再開した。中国製品には一方的に関税を課し、WTO(世界貿易機関)から国際貿易ルールに違反していると判断された。

 ことほどさように、現在のアメリカは短期的な記憶力しかなく、やっていることが支離滅裂なのである。そんなアメリカに、このまま日本は従属していってよいのか? 私は賢明ではないと思う。アメリカから離反するということではないが、「米中新冷戦」が加速している今、日本は冷静にアメリカとの距離を測りながら行動すべきだと考える。

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