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芸能人・著名人の相続・終活
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石原慎太郎さんが進めていた緻密な終活 それでも残る死後の整理への不安

すでに作家として活躍していた、石原慎太郎さん20代の頃(時事通信フォト)

すでに作家として活躍していた、石原慎太郎さん20代の頃(時事通信フォト)

「厳しくて強気で勇ましいイメージの一方で、繊細で神経質、周囲から自分がどう見られているのかを気にする一面もありました。会見では質問に対して大上段に構えたりすることがありましたが、それぞれの記者の様子をしっかり観察していて、あまり質問をしない記者には“○○社の○○くんは、何も聞かなくていいの?”“○○くん個人の意見はどうなの”と名指しすることもありました。気配りの人でもあったんです」(全国紙記者)

 都知事辞任後、国政復帰したが、2014年に政界を引退。以降は作家として、最後まで精力的に執筆した。昨年12月には全2巻の短編全集を発刊。脳梗塞の影響で、複雑な構成の漢字や仮名づかいが頭から抜け落ちた状態にあったというが、亡くなる直前まで原稿用紙に向かい、今後、3冊が出版される予定だという。

「建物を含めれば2億円をゆうに超える」

 かねて石原さんは、自身の死後について周囲に漏らしていた。

「“遺産相続とか、死んだ後までガタガタ身内が揉めるのはカッコよくないよなあ”とよく言っていました。葬儀の仕方や自分の遺骨の扱い方まで、細かく伝えていたようです」(石原家を知る人物)

 一昨年に出版した『死という最後の未来』(曽野綾子氏との共著)に、石原さんはこう綴っていた。

《別に葬儀場ではなくて、ホテルでやってもいいんですけどね。ああしろこうしろと伝えてあって、ヨットレースの優勝カップは必ず並べるように言ってある。(中略)それから音楽。流す曲も決めてあります。『海よさらば』》

 豪快なイメージとは裏腹に、緻密な終活も進めた。神奈川・逗子に所有していた不動産を2014年に売却。ほぼ同時期に、自身の個人事務所も畳んだ。

「不動産をあちこちに所有したり、手広く投資して蓄財するようなタイプではありませんでした。だから政治家としてもお金には清廉潔白でしたが、莫大な遺産を残したということもないようです」(前出・石原家を知る人物)

 それでも、石原さんの死後の整理には不安も残る。1つは、冒頭の田園調布の豪邸だ。登記簿によると、土地、建物ともに、石原さんと典子夫人の共有名義だが、その割合はほとんどが石原さんだ。土地は400平方メートル以上で、近隣の不動産会社によると「建物を含めれば2億円をゆうに超える」という。司法書士法人ABC代表の椎葉基史氏が解説する。

「遺産分割のスタンダードな考え方は、配偶者が財産の半分を受け取り、残りの半分を子供の頭数で分けるというものです。相続財産がすべて現金ならば分けるのはたやすいのですが、不動産が含まれると、途端に難しくなります。不動産を縦に切るわけにもいきませんし、そこに住み続けたいという相続人がいる場合には、すぐに現金化したいほかの相続人と意見がぶつかることになります」

 不動産の場合は、共有名義という考え方もあるが、これには大きな落とし穴がある。

「将来、その不動産を売るにしても、共有者全員の同意を取らないといけなくなります。さらに言うと、相続した人が今後亡くなれば、さらにその人の相続人が何人も分割して相続し、所有権が細切れになる危険性があります。そうなれば売るにも、解体するにも、身動きがとれなくなる」(椎葉氏)

 はたして石原家の遺産相続はどうなるのか──。

後編につづく

※女性セブン2022年3月3日号

石原裕次郎さん(時事通信フォト)

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典子夫人(撮影/太田真三)

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長男・伸晃氏(時事通信フォト)

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次男・良純氏(撮影/矢口和也)

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三男・宏高氏(時事通信フォト)

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