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コロナで痛手のロイヤルホスト フライドチキン専門店や冷凍食品で復活を期す

コロナ禍で大きな痛手を負ったロイヤルホストだが…(写真/AFLO)

コロナ禍で大きな痛手を負ったロイヤルホストだが…(写真/AFLO)

 コロナ禍で休業、閉店が相次いだ外食産業。今後の需要はどうなるのか。外食ジャーナリストの中村芳平氏はこう分析する。

「政府の補助金や助成金がいつまでも続くはずはない。飲食業界にとって“本当の戦い”はこれからです。例えば、リモートワークが定着すれば都心よりも郊外、住宅地寄りの店舗の需要が高まる。そういったコロナ後の新しい外食需要を各社がどう掴めるか。その戦略が問われます」

 ファミリーレストランでも新たな戦略を打ち出す企業が出てきている。

 2020年12月期は275億円の最終赤字、90店舗閉鎖とコロナ禍で大きな痛手を負ったのが「ロイヤルホスト」などを展開するロイヤルホールディングスだ。同社はファストフードへの参入で復活を期す。2021年5月にバターミルクフライドチキン専門店「Lucky Rocky Chicken」の1号店を開店し、現在は都内に4店舗を構える。新業態を展開した理由を同社はこう答える。

「テイクアウト・デリバリーに強い業態を育てることでマーケットの変化、お客様の選択肢の多様化に対応していくことが必要であると考え、戦略的な新業態としてスタートさせました。この4店舗でしっかりと勝ち筋を見つけていきたい」(コーポレート・コミュニケーション部)

 冷凍食品事業の「ロイヤルデリ」では、2020年10月に「世界の料理を紹介する」という新たなテーマを掲げ、現在55品の料理を提供する。

「ロイヤルホストの客層は他のファミレスと比較しても富裕層が多く、客単価を上げていく戦略になる。中食の『ロイヤルデリ』は決して安いわけではないが、本格冷凍食品として評判が良い。ほかにもより高級感を出す店舗改装など、ブランド価値を高める取り組みを進めています」(中村氏)

 コロナ禍で生き残るために、新たな取り組みが求められているのは間違いないだろう。

※週刊ポスト2022年4月22日号

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